花に嵐

オタク・備忘録

失われしゲーム会社を求めて #6 ~(株)MAMECOM編~

こんにちは~。藤原です。


過去存在したゲーム会社について語る「失われしゲーム会社を求めて」も、今回でとうとう第6回!
時の流れって早いですね~。


今回はかつてゲームボーヤソフトで大いに名を馳せた、知る人ぞ知るゲームメーカー、(株)MAMECOMをご紹介していこうと思います。




■会社概要

(株)MAMECOM

2XXX年に、社長のレオス・ヴィンセント氏&副社長のアクシア・クローネ氏によって設立された小規模ゲームメーカーです。
社長・副社長という役職ではありますが、実際には企画会議も主導していて、基本的に各作品の企画を立てるのはほぼこの2人というツーマン運営に近しい形態だった模様。

スタッフは社長と副社長を合わせて6人(最終作のBLUE EDEN開発時には2名増えて最終メンバー8人)と、ほぼスターティングメンバ―だけで駆け抜けた会社となっています。


初期はPCゲームを制作していましたが、ゲームボーヤが発売されたのちはゲームボーヤ作品の開発に切り替え、最終的に全部で8本のソフトを世に送り出しています。
ちなみにウルトラドライブのライセンスをとっていたようですが、残念ながらウルトラドライブ作品は1本も出していません。見てみたかったんですが・・・。

ほかにもけっこういろいろな作品の外注を担当していて、とくにキャラクターデザインを請けることが多かったようです。
実際、MAMECOMのグラフィッカーはすごく優秀で、どの作品もグラフィックがとくによかったんですよね。
これは社長のヴィンセント氏がグラフィックもいける人だったのも影響しているのかもしれません。


ちなみに会社のマスコットキャラは「まめねこ」というなんともかわいいゆるキャラで、経営後期はゲームだけではなくこのまめねこの商品展開もしていました。
知る人ぞ知る・・・がつきますが、まめねこサブレとかが有名でしょうか。実はボクも幼少期にゲームデックスのおみやげで食べた経験があります。
ちゃんとしたお菓子会社と提携してたらしくて、意外とちゃんとおいしかったんですよねこれ・・・謎・・・。


で、なんで今回こちらのMAMECOMをご紹介したかと言うと・・・・・・。


ボクがもともとファンだったのもあるんですが・・・・・・。



あまりにも辿った歴史がドラマティックすぎる!!!!




独特すぎる発想力を携えてゲーム業界にデビューし、売り上げのためにエロにその身を堕とし、そして最後に歴史に残る神ゲーを世に送り出して歴史から姿を消す・・・。
起承転結が完璧な、まさに伝説のゲームメーカーです。


本当ならこのシリーズを始めたとき、もっと早くに紹介するつもりだったんですが、いろいろと資料を集めてたら遅くなってしまいました。
そのぶん気合を入れて紹介していきますよー!!


ちなみに、当時の開発現場に密着したエデンローカルでの特番がなんとYoutubeにアップされています!こちらもぜひご覧あれ~。
【ゲーム発展国++】神ゲー売るぞ!!!【アクシア・クローネ/にじさんじ】 - YouTube
www.youtube.com



■作品紹介

ここからは、(株)MAMECOMの各作品紹介です。


『埋娘これくしょん』

ハード:PC ジャンル:埋蔵金発掘パズルゲーム
ゲーム評価:C 発想力〇の隠れた良作


MAMECOMの記念すべき第1作目はパズルゲーム!最終的な売上は約2万7000本で、初登場としてはけっこう売れたほうですね。

埋蔵金発掘パズルというとどういうこと?となると思いますが、いわゆる『さめがめ』系のパズルで、盤面を全部消すと埋蔵金を発掘できる・・・という単純明快なものになっています。
難易度選択も可能かつ詰めモード(詰将棋的なアレです)もあり、初作品にしてはしっかりと遊べます。
とはいえそれだけだとふつうのパズルゲームなワケですが・・・まいこれがほかと違うのは、そのキャラクターデザイン!


なんとこの作品、この時代には比較的斬新だった美少女モノなのです!


といってもべつに埋蔵金が美少女化されているわけではなく、埋蔵金を探す超能力者やダウザーダウジングをする人のことです)が美少女になっております。
その美少女を一人選んでパートナーにして、一緒に埋蔵金を探す・・・というのが、本タイトルの簡単なストーリーというわけです。


じゃあ、タイトルの「これくしょん」要素は?というと・・・。
ひとつの埋蔵金を見つける(=ステージをクリアする)と、パートナーにできる美少女がひとり増えます。ちなみに最大は5人ですね。
この5面+最終ステージの1面を合計した6面がオモテ面になります。
で、さらにそのパートナーと一緒にそれぞれのウラ面各ステージ(全部で5面)を攻略すると・・・パートナーの『まいむす』の特別なスチルが見られます!
このスチルはちゃんとギャラリーモードで見られるので、ちゃんとこれくしょん要素もある、というわけです。

ちなみにまいむすたちのデザインは、当時の美少女デザインとしてはちょっとだけやぼったいんですが、それがまたカワイイです(*´∀`*)
(ボク的にはちゃんと着込んでるのも高ポイントです。あんまり露出多すぎるとちょっとね……(^▽^;))


・・・本当のところ、ボクはこのゲームがスゴく好きで、正直Bはつけたいくらいなんですが・・・
哀しいことにこのゲーム、数年後にMAMECOM自身の手によって殺されてしまうのと、まあほかのBランク以上のタイトルにくらべればボリューム不足は事実なので、涙のCランクとなりました(T_T)

でも本当にいいゲームなんですよ!この発想は当時としては天才だなと思います。
プレイ自体もお手軽ですし、まいこれ無印はプレミアがついてないので、ぜひぜひレトロゲーがお好きな方は中古ショップで見つけたらお手に取ってほしいです。・・・動くパソコンがあればですが(笑




『鯨偶蹄目フレンズ』

ハード:PC ジャンル:けものパズルゲーム
ゲーム評価:D あまりにもニッチな方向性が光る作品

まいむすで一定の評価を得たMAMECOMが次に送り出したのは、タイトルが異様に目を惹く『鯨偶蹄目フレンズ』。
タイトルからはまったくわかりませんが、意外にも堅実なパズルゲームで、最終売上は約5万本弱。前回のまいむすの2倍くらいですね。

さて、タイトルのフレンズからなんとなく察するかもしれませんが・・・。


こちら、美少女化モノとなっております。


この会社、なんでこんなに美少女化に強いんでしょうね?(^_^;)

とはいえ、こちらのくぐフレとまいむすくらいのものですが・・・。先見の明がありすぎて笑います(笑
そしてなぜか擬人化する生き物は鯨偶蹄目のみに限られているという・・・。
このセレクトはヴィンセント社長が決めたそうですが、一体彼は何を食べたらこんな思考にたどりつくんでしょうか(笑


出てくる鯨偶蹄目フレンズこと『くぐフレ』は4人。ラマのコ、イノシシのコ、カバのコ、シロナガスクジラのコになってます。
この擬人化デザインがとてもかわいい!いまも余裕で通用するデザインでしょうね。

パズルとしては非常にシンプルな落ちモノパズルですが、くぐフレによって持っているスキルが違い、いちおうキャラクターがゲーム内にいる理由はちゃんとあります。
とはいえこのスキルが各種族のくぐフレに関連性があればよかったんですが・・・さすがにそこまでは難しかったようで、ドロップの落下速度遅延や、一度だけ特定の色のドロップを削除というフツーのモノになっているのが少し残念です。


ゲーム性としては正直にいうと凡作寄りではあるんですが、鯨偶蹄目をセレクトしたそのセンスと、あとなぜか全部鼻歌でやたら印象に残るBGMが秀逸なので、DランクでもD++くらいの評価です。
ボクはかなり好きです、このゲーム(笑




『忍々日和』

ハード:PC ジャンル:忍者育成ゲーム
ゲーム評価:E グラフィックと世界観は〇だが……

第2作目は忍者育成ゲーム。これがMAMECOM最後のPCゲーです。最終売上は約5万本で、なかなか健闘しています。

衰退しつつあるとある忍者の一族の長となったプレイヤーが、その血を絶やさないために新米忍者たちを育成していく・・・というストーリー。
育成システムはわりとシンプルかつオーソドックスで、いくつかある修行コマンドを選択して必要なステータスを伸ばしていくタイプのものになっており、いわゆる交配要素もあります。
さらになんとオンライン対戦が実装されており、育てた忍者同士で友達とバトルするという遊び方も可能!(※現在はもうできなくなっています)
もちろん、ゲーム内にもNPCとの対戦モードがあるので、ローカルでも十分楽しく遊べます。

また、世界観がゲーム内テキスト込みで非常によく作り込まれており、パッケージだけではなくグラフィックもスゴくキレイで一見良作なんですが・・・。


育成できる忍者のバリエーションが少なすぎる!!


この一点があまりにも足を引っ張っています・・・。

いわゆるキャラメイク的な要素があるんですが、なぜかそのパーツが男女合わせても数種類しかなく、しかも結局頭巾と覆面で隠れてしまうので、全部似たり寄ったりになるという・・・。
そうなると作った忍者たちが差別化できず、育成ゲームなのに育成したキャラにまったく愛着がわかないという致命的な欠点が生まれているわけです。

いや、本当にグラフィックはスッゴく良いんですけどね~。ぜんぜんいまでも通用するくらいのCGなんですよ。
だからこそ数パーツで力尽きてしまったんでしょうか。せめて頭巾と覆面をオフにできれば・・・とも思うんですが、それもかなわず。

そういうところが足を引っ張り、育成要素にも真新しいものはなく、珍しい対戦要素も数字を見てるだけのバトルになるので、結局全体的にゲームとしてあんまりおもしろくないという残念な作品に仕上がってしまっています・・・。

というわけで少し厳しめのE判定です。
もうちょっとがんばれたような気もしますが、まぁこの時代ならしょうがないのかなあという感じ。




『むらむらポロリバーシ

ハード:ゲームボーヤ ジャンル:お色気♡ボードゲーム
ゲーム評価:C 社の命運を決定づけた意欲作のバカゲー

雨天堂から携帯機『ゲームボーヤ』が発売され、ここからMAMECOMはゲームボーヤソフト開発へと舵を切っていきます。

その第一歩であり、MAMECOMの命運を決定づけた伝説のゲームがこちら・・・

むらむらポロリバーシです。


いま読んでるみなさんがずざざっと後ずさった音が聞こえた気がしますが続けます。


タイトルに入ったリバーシという言葉のとおり、非常にお手軽に遊べるシンプルなオセロゲームです。ええ、オセロゲーム部分だけは本当にシンプルです。
いや、ウソです。ポロリ部分のグラフィックも非常にシンプルです。


・・・そう、ポロリ部分があるんです。

えー、このゲーム。ポロリバーシというタイトルから察する方もいると思いますが・・・


自分が取った石の数だけ、対戦相手の女の子の服の下が見られるという脱衣オセロです。

取った石の数だけというのは、まあ・・・簡単にいうと、脱衣ブロック崩しみたいなかんじでプレイヤーにとって重要なぱんつとかはドットで隠されていて・・・。
取った石の数のドット数、その隠しが消えるっていうことですね。
(※よいこのみんなは絶対に脱衣ブロック崩しで検索しないでね!)


いま、正気か?って思ったそこのあなた。
でもこのゲーム、なんと・・・最終的に約19万本の売り上げを叩きだしています。やっぱエロって正義なんだ
MAMECOMも正気じゃないですが、ユーザー側も正気ではなかったということです。いや、ある意味では本能に正直なので正気かもしれません。

まあ・・・携帯機で手軽に遊べるオセロということで、そういう需要はあったのかもしれません。
なにせ当時のゲーム業界において、まっさきにゲームボーヤで発売されたオセロゲームのソフトがこれでした。
これはただオセロを遊びたいだけだから!という言い訳を当時のお父さん方はしていたのかもしれないですね(トオイメ
パッケージは完全に美少女ゲームでしたけど。


・・・いや~そう。
すがすがしいくらいパッケージ詐欺なんですよねこのゲーム。


最初の方に「ポロリ部分のグラフィックも非常にシンプルです」と書きましたが、ええ、当時のゲームボーヤの画面サイズから、グラフィックがどんなもんかはお察しください。


まあ、ある意味では、こういうドット絵のほうがかきたてるものって・・・ありますよね・・・うん・・・。
とはいえオセロゲーム部分に破綻はなく、ゲームとしては普通に遊べるのと、ポロリバーシがMAMECOMのターニングポイントであったことからC評価とさせていただきます。


・・・え?ボクですか?

ボクはまあ・・・まいむすの方がスキかな・・・。だって顔がシンプルじゃないし・・・




『パンチ☆ランナー』

ハード:ゲームボーヤ ジャンル:教育ゲーム
ゲーム評価:測定不能 教育(意味深)

ポロリバーシで勢いをつけたMAMECOMは、そのままゲームボーヤ第2作目を発表します。
それがこちら、パンチ☆ランナーです。


・・・待って!違うんです!
ボクはべつにMAMECOMがエッチなゲームばっか作ってる会社だから好きなワケじゃないんです!!!!!


誤解を解いたところで続けます。

このゲーム、なんとカテゴリは教育ゲームです。
どう考えても教育の前に一文字抜けてるんですが、プレイしてみればたしかに教育ゲームではあります。

・・・ちなみにみなさん、このタイトルとカテゴリからどんなゲームでどんな科目の教育を子供に与えるのか想像できます?
ゲーム内容を知らない若人の読者さんは、ぜひ想像してからスクロールしてみてください。




想像できました?
では答え合わせです。


このゲームの教育科目はなんと地理です。

初見で当てられた人、0人な気がします。

簡単にゲーム内容を説明すると、主人公の女のコ(名前は好きなように設定できます)が日本各地をマラソンし、走っている最中に主人公が話す周囲の特徴のセリフを読んで、いまいるのがどの地域のどこかを当てるというクイズゲームです。
ちなみにマラソンパートはAB連打なので同時に連打の教育も施してくれます。


いまボクの文章を読んでこいつ何言ってんだ?と思った方。正解ですがボクじゃなくてMAMECOMに言ってください。
ちなみにこんな意味不明な内容ですが、最終売上はなんと約26万本を記録し、MAMECOM作品では2位の売り上げを誇っています。本当にそれでいいのか?この国は・・・。


どう評価をつけていいのか見当もつかないので評価値は測定不能ですが、なぜかMAMECOMのゲームの中でもトップクラスにサウンドが良質で、明るいゲームBGMが好きならオススメとだけは書き添えておきます。


ちなみに今実機で動くゲームボーヤ、ボタンが壊れた場合交換部品がかなり希少になってるので、実機でプレイしようと思った方はお気をつけて・・・。





『埋娘これくしょん2』

ハード:ゲームボーヤ ジャンル:埋蔵金発掘セクシーパズルゲーム
ゲーム評価:G 生まれてはならなかった稀代のクソゲー

MAMECOMの黒歴史であり、できれば歴史の闇に葬り去っておきたいタイトルですが、やむなく取り上げます。
ボクが埋娘これくしょんが好きなのは今回のレビューをはじめから読んでいる人ならわかってくださってるでしょうし、まいこれのレビューの〆から察したこととは思いますが・・・残念なことにこれはまいこれではありません。


いやもう・・・・なんで生み出したんでしょうね、コレを。
ボクはまいこれの良さって、シンプルだけど骨太なゲーム性と、親しみがあってかわいらしいキャラクターデザインとグラフィック、それに埋蔵金という比較的身近だったロマンを足したところだと思ってるんです。
でもこのゲーム・・・エロ重視の時代に企画されたことでパッケージを含めたキャラクターデザインもかなり「ソッチ寄り」に振ってしまっていて、しかも無印にあった詰めモードもカットされています。
さらに、MAMECOMのよさのひとつにバグがまったくないというところがあったんですが、今作はパズルゲームとしては致命的なバグがあります。消せるはずのドロップが消せないのです。


そう・・・もうお察しいただけるとおもいますが・・・。

ボクたちが待ち望んだ埋娘これくしょんの続編は、エッチなパッケージだけで売り抜けるクソ続編となってしまったのです・・・。

あまりにも悲しい・・・。
まいむすのファンが何十年経っても2のアンチをしているのも当然です・・・。


なお今作は日本ゲーム発展大賞において無事にクソゲーム賞を獲得しています。
当時授賞式に出席していた社長と副社長は「12万本も売り上げたんだぞ!?」(ちなみに最終売上は約17万本です。こんなもん17万本も出荷するな)と絶叫していたようですが残念ながら当然の結果です。





『むらっとポロリバーシ

ハード:ゲームボーヤ ジャンル:お色気♡ボードゲーム
ゲーム評価: 史上最悪のバグゲー

ゲームボーヤ発売から徐々に狂いだしていたMAMECOMの歯車は、前作の埋娘これくしょん2で完全に外れてしまい・・・。
そしてこの地獄が生まれました。

むらむらポロリバーシの続編と銘打たれたこちら、概要としては前作と変わっていませんが・・・実はまいこれ2以上の失敗作と言えましょう。
なぜなら一番重要であるポロリ部分のグラフィックも前作とほぼ同等のシンプルさ・・・否、テキトーさ。
前作から女のコキャラのラインナップはかわっていますが、肝心のグラフィックが伴っていなければ意味がありません。


・・・いえ、ゲームですから一番重要なのはゲーム性ですね。
ご安心ください。もちろんそのゲーム性も終わっています。なぜならこのゲーム、大小問わずバグが多く、進行に致命的なバグもあるのです。


具体的に言うと、勝ったはずなのに負け判定になり、対戦相手の女のコがポロリしません。詐欺じゃん。


こんなゲームでも13万本売れてるんですから、いかに当時のゲームボーヤバブル・・・そしてエロのMAMECOMブランドが大きかったかという話です。
ある意味ではゲームボーヤの暗黒史ですね。




ゲームボーヤソフトで大いに名を馳せたとはいうものの、むらポロを含めたここまでの数作・・・いや、PCゲー開発時代からのファンにとってはゲームボーヤ作品はすべて黒歴史
しかし、MAMECOMは・・・終わりつつあったその栄華を取り戻す起死回生の一手に出ます。


それこそが、MAMECOM最後の作品なのでした・・・。





『-BLUE EDEN-』

ハード:ゲームボーヤ ジャンル:君と未来育む恋愛育成ADV
ゲーム評価:S このゲームを生み出すためにMAMECOMは生まれた

『-BLUE EDEN-』――美少女ゲーをたしなむ方であれば、一度はこのタイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。
そう、ギャルゲ史上に残る傑作であるこちら、当時のMAMECOMが文字通りすべてを投じて生み出した最後の作品なのです。


ボクのHPを普段見ている層ならとっくにご存じかと思いますが・・・改めて説明すると、『-BLUE EDEN-』は恋愛ADVであり、育成シミュレーションゲームです。
ワケあって廃校寸前の学園に転校し、学園附属の寮・・・とは名ばかりのアパート「メゾン・エデン」に引っ越してきた主人公は、そこで寮を管理する長女・ちはると彼女の3人の妹たちに出会い、4姉妹と一つ屋根の下で過ごしながら、青い閃光のような一年を過ごします。

ふつうの恋愛ADVと少しだけ違うのは、昼は3人のヒロインから誰かひとりを育成(といってもそんなに特別なものではなく、ヒロインの行動を指定することでパラメーターが変動すると共に、シナリオが進行します)し、その育成結果によってエンディングの描写が変わるというところです。
ゲームボーヤの要領の都合上、ルート自体は3姉妹+クリア後にプレイできるちはるトゥルーしかありません。しかし、その育成要素でエンディングでヒロインたちが進む未来の描写がやや変動するので、実際のエンディング数以上に満足度が高いです。
そこも含めてゲームとしての評価は高いんですが・・・。


このゲーム、とにかくグラフィックが素晴らしい・・・。


本当にこれはゲームボーヤなの・・・?そしてポロリバーシシリーズのメーカーなの?と疑いたくなるような、ドットながらも美麗なグラフィック。
ちなみにゲーム内グラフィックだけではなく、パッケージイラストもふつうに素晴らしく、当時の予約特典テレカ(パッケージイラスト使用)とタペストリーはいまでも6ケタをゆうに超えるプレミアがついています。
もちろんシナリオも王道ながら見事に感情をゆさぶられる泣きゲーで、一体どこにそのライターを隠し持っていたの・・・?と思ってしまう美しいストーリー。
どの姉妹のルートも良いのですが、ボクはやっぱりすべてがわかるちはるトゥルーが一番泣いたし印象に残ってるかな。というかちはるがスキなんですよね。おっとりあらあら最強お姉ちゃんはみんな好きでしょう。ボクもです。

ゲームボーヤというハードの限界にぎりぎりまで挑戦し、そしてその限界を突破したMAMECOM史上・・・いや!ゲームボーヤ史上最高傑作です。今も歴史に残る神作と言えましょう!


最終売上はそれまでのタイトルをはるかに凌駕した約41万本を叩き出し――そして稀代の傑作である『-BLUE EDEN-』を世に送り出したMAMECOMは、その力のすべてを使い果たしたように、そっとゲーム史の中に消えていくのでした。




あとがき

(株)MAMECOM編、いかがでしたか?


途中酷評もしましたが、ボクは何年、何十年経ってもこの(株)MAMECOMというゲームメーカーが本当に好きです。
グラフィックのレベルは平均してずっと高かったですし、途中迷走も見られたものの、斬新な発想とそれを実現するチカラを確かに持っていたすぐれたゲームメーカーだったと思います。終わり方も静かで美しく、物語性のあるメーカーです。
というか、迷走期もむらポロを除いてはいちおうちゃんと遊べるゲームを送り出してたんですよね。あ、まいむす2はゲームじゃないので。


・・・MAMECOMはもう解散しており、存在しません。

ですが、彼らが作ったゲームは残り続けていますし、ゲームボーヤという名作ハードに残した爪痕も歴史にしっかりと刻まれています。
少しマイナーなゲームメーカーではありますが、このMAMECOMというメーカーの魅力を知るきっかけになったなら幸いです。
ゲームボーヤ版-BLUE EDEN-はプレミアがついていますが、それ以外は比較的手ごろな値段で入手可能です。

なおMAMECOMが実質的に解散したのち、マイクロックス480・プレスポケット・PCから、バッドエンドやさらなるルート分岐、それぞれのルート後のアフターストーリーを追加した代わりに育成要素をパージしてふつうのギャルゲになった、完全版リメイクである『-BLUE EDEN- for season』が発売されています。
育成要素がパージされてしまったのは非常に残念ではありますが、for seasonにて追加された夕夏アフターが傑作シナリオなので、個人的にはこちらも大好きなゲームです。いまでもふつうに買えますし、PC版はSteanでも購入・プレイ可能なのでもっともプレイしやすいタイトルと言えます。

興味があればぜひMAMECOMのゲームをプレイしてみてください!


超結論:みんな-BLUE EDEN-をやろう。埋娘これくしょんもやろう!








当記事は冒頭で紹介しているゲーム発展国++配信のファンアートです。実在のゲームメーカー・ゲームソフト・ライバー様とは一切関係ありません。








真・あとがき

 藤原です。
 幻覚フルオープン謎ファンアートとなります。青組ゲーム発展国++があまりにも面白かったので、少し正気を失いました。すみません、幻覚を見るのが好きなので……。かつて架空のカードゲームの架空の匿名掲示板の架空のレスをまとめた架空のまとめブログをやってたことがあることからわかるとは思いますが……。
 なんとなく20年くらい前のレトロゲーレビューやってる個人テキストサイトを意識して書いてます。ちなみに参考にしようと思ってた昔よく読んでたサイト、のきなみサーバーのサービス終了とかで消えてて本当に悲しかったです。本当に。
 個人的な趣味で全部レトロゲーになってますがその辺はまぁご容赦頂ければ……。言うてもゲームボーヤくんはあの分厚さで現代ゲームハードを名乗るのは無理があるでしょ(冷静)レオスもGB想定で作ってたし……。自身の想定としては全体的に90年代~00年代頭くらいのゲームです。

 いや本当にこの配信クソ面白かったです!二人の良さがめっちゃよく出た良いコラボだったな~と終わってからずっと噛み締めております。
 何せ起承転結が完璧すぎるんですよね。終わった後どっちも達成感に満たされてたのがよくわかる。ていうかこのエピソードも込みでめちゃくちゃ好きなコラボでした。
 ゲーマーの二人だからこそ、自分の思う最強のゲームをぶつけ合えるの、いいよね……。めちゃくちゃ気が向いたら第二弾もやってくれへんかな……。

 -BLUE EDEN-を現実に引っ張り出して制作すれば青組でのギャルゲ配信が見られるのでは?と思い、いまシナリオをなんとなく1から考えてるわけですが、果たして実現するのでしょうか。
 でも作りてぇな~~~ギャルゲ!!!! 泣きゲーにしてぇなあ~~~!!!!

 そんな感じです。






 余談。
 実は脱衣オセロゲーム実在するのみんな知ってた?
ドンデンラバー Vol.1 〜白黒つけよっ〜 - Wikipedia

 人間の欲望って尽きないね。