花に嵐

オタク・備忘録

#にじさんJ1 をきっかけに、初めてレモンガススタジアムで観戦してきたよという話をするだけの日記

 お世話になっております。藤原です。


 今年もにじさんじJ1クラブコラボが始まりました!
 まさか3回目もあるとは……。嬉しすぎる。初回コラボのとき、来年はないだろうけれどせめて今年は精一杯楽しもう!そして今後も縁あったマリノスを応援していこう!と思っていたのが懐かしいです。全然あったよ。

 2024年度のコラボは、まさかの担当ライバーが全員入れ替えとなりました。
 ほとんどが2022年以降のデビューライバーに固まったこともあり、これについては賛否両論あるかと思いますが、個人的には良い施策だと考えています。
 2年コラボを継続したことで、ライバー・リスナー・サポーターのつながりはより深いものとなりましたが、『新規の客層を増やす』という観点では初回コラボの時点で概ね完了してしまい、停滞していた印象にあります。コラボ先まで追うようなコアファンは一朝一夕で増えませんしね。一方、担当ライバーの卒業で唯一担当ライバーが『入れ替え』となったマリノスは、昨年のコラボでさらに新規サポーター層やリスナー間への知名度を増やしていたように見えました。新しい人達に触れたのだから当然ですね。
 2022年以降にユニットとしてデビューしたライバーたちは、これまでのJ1クラブコラボを担当していたライバーたちとはまた違うファン層に寄っており、活動を見ていた立場の体感ではさらに若年層が増えていると思います。
 新たな客層にリーチできることに加えて、比較的新人寄りのライバーは配信以外の仕事がまだ詰まっていないこともあり、ある程度時間に余裕もあるので各試合にも触れやすそうです。(にじさんじライバーは通常配信以外の仕事に追われてプライベートが“終わる”ことがままあります。おつかれさまです)
 
 それはさておき、今回の入れ替えで自分はいい意味で困ったことになりました。
 というのも前回まではマリノスに一番好きなライバーが来ていて迷うことが一切なかったのですが、今回は特によく見ているVOLTACTIONとヒーローから選出されたこともあって、他クラブに推しライバーが分散してしまったのです……!

 マリノスの担当ライバーである奏斗も長らく好きなので大変嬉しかったのですが、それ以外にもFC東京にセラフ、湘南ベルマーレにカゲツと少なくとも3チームに散ってしまいました。初コラボからずっと交流を続けてくださっているマリサポさんや、根本的にサッカーの楽しさを教えてくれたマリノスには多大な恩があるので今年のリーグ優勝を見たい気持ちは変わりませんが、しかしそれはそれとして推しと同じチームも応援したい……!マリノスと戦うとき以外は……!


 というわけで、行ってきましたレモンガススタジアム平塚!
 


 ちょうど今週末はマリノスの試合もなく、自分も本来入っていた予定がなくなり、かつ天気も崩れなさそうだったので、前日チケットを取りました。
 もともと過去のコラボ時点で湘南サポさんと巴さんの交流も見ており、とある湘南サポさんにもいつかレモスタ来てみてね~とおっしゃっていただけていたので、今回行くきっかけができて本当に良かったです。
 
note.com

 カゲツが配信でも参考にしていたこちらの神記事をそれはもう参考にさせて頂きました。特に平塚駅からの徒歩はかなり不安があったので大変助かりました。


 

 本当は10時に平塚につく予定だったのですが、普通に30分ほど寝坊して11時ごろ平塚駅に到着。池袋からだと然程遠いわけではないのでギリセーフ。
 平塚駅からはバスは使わずのんびり徒歩で向かいました。知らない街を歩くのがいっちゃん楽しいんだから……!

 スタグルのキャッシュレス決済に対応するため、現金をSuicaに入れなければ……と思いつつうっかり駅を出てしまったので、スタジアムまでの道中、しかも駅のすぐ近くにセブンイレブンがあって本気で命が救われました。
 セブンATMはチャージにクレカを使いたくない人間を救う……。

 道はわかりやすく、大通りだったので安心。目の前に居た湘南ユニを着た方の後ろを歩いていたんですが、気づいたら追い抜いていてめちゃくちゃ焦りました。
 とはいえそのさらに前を神戸サポが歩いており、さらに途中からほかの湘南サポも増えたので問題はなかったです。そもそもほぼ一本道だから急に曲がらない限りは迷わないですしね。
 商店街も込みでさまざまなお店があり、歩いているだけでかなり楽しかったのですが(藤原㊙情報:趣味のひとつが知らない街歩き)、道中に平塚市美術館・博物館もあってそっちも気になりました。寄れたらいつか寄ってみたいかも……。
 あと地味~に途中に郵便局があるので、現金足りないかも……と思ったゆうちょ口座ユーザーには最後の砦もあります。ありがたいね……。


 私はかなり足が遅いんですが、それでも30分くらいで到着。



 公園だ~~~~~~~!!!!!!!!!
 でっけぇ公園だ~~~~~~~~!!!!!!

 コンクリートジャングルに住み、家と職場を行き来する生活を送っていると定期的に自然に触れないと気が狂いそうになるんですが、そんな荒んだ心が癒される豊かな自然。そして水辺。うれし~~~~~。本当に嬉しい。人間はデカくて自然がたくさんある公園が、好きだから……(バカデカ主語)

 子供向けの遊具も素で多く、お子様連れでも楽しめそうで良いな~と思いながら潜入。
 大船あたりから死ぬほど腹が減っていたので、まずはスタグルを楽しむこととしました。




 美味すぎ。
 魂がマリサポなのでスタグルについては相当甘やかされて育ったぞ……と思っていましたが、日スタの次にレモスタに来ちゃったらもうおしめぇだよ……!
 

 さほど買わなかったものの、全部おいしく頂きました。クレープはカゲツが雑談で興味を示していたもの。クリームがミルキー感強めで美味しかったです。しかし注文したあとにヌテラのクレープがあることに気づいて椅子から転げ落ちました……。次回現地観戦行くときに来てたら絶対食べたい……!(そんでヌテラ使ってても値段がほかのクレープと同じなの優しすぎません?)
 暑かったので牧場ミルクのジェラートは本当に美味しかったし、カップでもちょっとだけコーンついてくるのがお得で嬉しかったです。あと肉巻きドッグ、美味くてウケちゃった。だいたい外れない最高のメニュー。


 しかし一番美味しかったのは、やはり湘南こっこからあげでしたね!
 冗談抜きで美味すぎ。からあげ革命起きたかと思った。恥ずかしながら湘南こっこからあげが名物とは知らず、事前にスタグル確認したときにからあげある~!しかも安い!これは絶対食べよ~と思ってたくらいだったんですが、買ってよかった……。

 あまりにも美味すぎたので、

 マジでずっとツイートしてました。あとカゲツがスタグルの写真くれ~って言ってたツイートにもからあげ食ったほうがいい!!!ってリプ送りました。そんでそのあともう1パック買いにダッシュしました。美味すぎて。それも一瞬で食いました。

 湘南サポの方に自分はいつも持ち帰り用も買ってますよ~と教えて頂き、そうかその手が……!と思ったので次回観戦時にキッチンカーがいたらその場で食べる用2パックと持ち帰り用1パックで買おうと思います。
 ちなみに夢に出そうと言いましたが、夢には出なかったもののふとしたときに湘南こっこからあげのことを考えています。脳が焼かれたオタク?
 このままだとOne more time, One more chanceになりそうなので誰か助けてください。からあげ秒速5センチメートル


 そんな感じでスタグルを楽しみつつ、岩をアスレチックにするキッズやら池にいるでかい鯉と元気な亀を眺めて和んだり、出張整骨院が1000円でマッサージしてたのに現金200円くらいしか持ってなくて歯噛みしていたら14時ごろになったので、いざスタジアムに入場。
 余談ですが公園内のお手洗いがなかなか綺麗で良かったです。



 座席は悩んだのですが、メインAにしました!ホームではなくアウェイ寄りです。
 チケットを取るのが前日になってしまい席の選択肢があまりなく、自分は全方向を人に囲まれるのがちょっと苦手なので、通路際を選びたくてここにしました。
 陸上競技用のトラックがあるのでピッチが遠目とは聞いていたんですが、日スタに育てられているとまあ特に問題はなく……。なぜなら日スタより遠いことはないため。ゴールも近くて見やすかったです。
 アウェイゴール裏がかなり近いので、もしかしたら神戸の応援しか聞こえないかもなーと思ったのですが、湘南ゴール裏のチャントもバチバチに響いていて、むしろ双方のチームの熱い応援が聞ける楽しい席でした!
 湘南ゴール裏が割と正面に近い感じで見える位置だったので、大旗も綺麗に見えて良かったな。旗振り観るの好きなんですよね~。かっこいいよね。

 とはいえ次回行くときはホーム寄りのメインAを取ろうかなと思います!せっかくですしね。


 試合内容は悔しい結果でしたが、いや本当に悔しい結果でしたが!!!アディショナルタイムで1点取られて取り返せないのは本当に悔しいやつだったけど!!!
 とはいえその1点取られたあとの猛攻はめちゃくちゃに盛り上がりましたし、良い感じの攻めも何度か見られたので満足度は高かったです。決定打が足りないときも、ある……。
 次回来るときは勝ち試合が見られるといいなと!湘南圧勝!したいぜ。

 


 こちらを参考にしていたのですが、単純に自分が眼鏡忘れちゃってホーム側ゴールでの争いはあんまり観られなかったのと、単純にGKが好きなので結構馬渡選手をずっと見ており、キックがきれいで良いな~とテンションが上がりました。キックが上手いGKが好きだから……。
 湘南はGK層厚いんですね!今回は見られませんでしたが、第一GKのボムグン選手も上手いとのことなので、次回は生で見られるといいなと。でも馬渡選手もまた見たいですし、心がいっぱいある~。
 個人的に気になっていたのが田中聡選手だったんですが、今回は見られなかったのでこちらも次回に期待。GK以外だとDFの高橋選手(現地だと誰かわかんなかったのでDAZNで確認しました。視力がカス……)もボールさばきが上手いなと思ったので湘南戦見るときは注目したい選手です。最後のミスは是非もないネ!


 というわけで初観戦、めちゃくちゃエンジョイさせていただきました。
 サッカーってやっぱ楽しいね~。レモンガススタジアム、とにかく試合前がすごく楽しめるので行って良かったです!小旅行気分になれてわくわくした~。
 チケット買うのにせっかくだからベル12にも入会しまして、2回分の招待券がもらえることになっているので、少なくともあと2回は行きます。

 湘南サポと小人さんたちの暖かい交流が初回コラボからずっと密かに好きだったので、今年もバトンタッチしたカゲツ&叢人と良い交流が生まれることを祈りつつ、自分も今年は1叢人として湘南ベルマーレのサッカーも楽しみたいと思います!



 

この記事を読んでくれた叢人へ

 見出しが遺書みたいになっちゃった。
 
 実際に観戦となると少しハードルが高いかも……となるかもしれません。 
 とはいえ平塚は湘南新宿ラインが通っているため新宿からのアクセスはほどほど楽で、都心からは遠いものの割と足を運びやすいスタジアムだと思います。関東近辺在住であれば、休日の小旅行気分で行ってみるのはいかがでしょうか。



 まさにカゲツの言うとおりで、公園がかなり広いのでスタグルをつまみながら散策しているだけでも十分楽しいと思います……!
 自然とぬいぱぺを撮りたい人にはかなりおすすめ。(※ぱぺ撮りは通行の邪魔になったり、公園のルールに反したり、SNSにアップロードする場合は他者の肖像権を侵害しないようお気をつけください)

 レモンガススタジアムはかなり階段が急なので、服装に関してはロングスカートや丈長めのガウチョパンツとかはやめたほうがよさそうです。裾踏んでこけたら本当に危ないやつ。
 あと怖いものなしすぎてローファーで行ったんですが、公園歩くのにはスニーカーのほうが向いてるな~という感じだったので、特にこれからの季節はしっかり日よけができて動きやすい服装がよいですね。屋根がほぼなく、観戦中の日陰がないので……(油断しすぎてしっかり日焼けしました)(n敗)
 割と冷え込むので(4/20は夕方が肌寒かったです)、秋以降に行くときは上着持ってったほうがなにかと安心。
 まあこのへんについてはにじさんJ1タグなどでさまざまな観戦ガイドがあるので、それを参考までに……。


 あとチケットを買う場合はサポーターズクラブであるベル12への入会がお勧めです!

www.bellmare.co.jp

 ざっくり言うとメンバーシップ。ベルマーレはスタグルの価格だけではなくこちらも特典がバグっており、3500円払うとなぜかチケットが2枚もらえます。ほんとにどういうこと?
 ちなみにメインAのチケットの定価はフレックスプライシングで変動しますが、ひとまず私が買ったときは3900円でした。(ベル12会員だと700円割引だったので実際は3200円)マジでどういうこと?

 なお招待券を表示するためのマイページにログインできるのが入会から7日後になるので、これの招待券で行ってみようかな~と思っている場合は予定立てた時点で……入ろうね!前日に思い立っちゃった場合はチケット買おうね!



 ちなみにサッカー知らないのに行っていいのかな?という疑問に関しては、あらゆるクラブのサポーターや過去のコラボを体験したリスナーが答えを出していますが、「全然いい」です!むしろ思い立ったなら行こう!実質聖地巡礼だし!

note.com

 こちらの記事で触れられていますが、基本的に現在のJリーグは『新しいファン』を求めています。もちろん実際にサッカーを見て肌に合わないということもあるでしょう。しかし、このあたりはものすごくざっくり言うとにじさんじリスナーサイドの推し活と同じです。推しが他界隈に注目される機会があったら、とりあえず推しのことを知ってほしいし、もしよかったらアーカイブも見てみてほしくないですか?そういうことです。


 サッカー自体はかなりわかりやすくて、もちろんオフサイドなどそのあたりをしっかり理解しようとすると難易度は上がりますが、『ボールがゴールに入れば1点』『ゴールキーパー以外手は使わない』だけ理解していれば、場の熱い応援の雰囲気も相まって現地でも十分に楽しめると思います。なんだかんだ「おっ!?ゴールまで行けるんじゃないか!?」というタイミングはわくわくしますよ!それくらいライトに観戦できるスポーツです。
 現地はさすがに……という場合でも問題ありません。DAZNでの観戦だと実況解説がつきますし、選手にもフォーカスされるのでもっと詳しく楽しむことができます。現地には実況解説はないので、なにがどうなってるのか解説されながら観たい!という場合はDAZN推奨です。月額は4000円以上となかなか値が張りますが、意味不明なことにDMMプレミアムとのセットプランで3480円になります。本当になんで?
 あとは快活clubでDAZNが利用できるので、近くに快活clubがあればそれが一番お勧めです!
 HUB(スポーツバー)という手もありますが、まああの……オタクにスポーツバーはむしろ現地よりハードルが高い可能性はある……。

 ベルマーレのサポーターは初回コラボ時からにじさんじリスナーへ好意的に交流する人が多く、めちゃくちゃ優しいです。なにせ当時のこのコラボはなんなの……?という空気感の中で、かなり迅速に巴さん向けのタグを作っていた猛者サポーターたち。(いまとなっては信じられないかもしれないですが、初回コラボ時はライバーもリスナーもクラブもサポーターも手探りで、こうして迅速にタグを作って交流していたのは数クラブだったのです)なにか疑問があればツイートで投げると答えてくれるはず!

 ……と、いろいろと観戦をお勧めしましたが、どうしても試合が見られないこともありますよね。学生だと遠征は難しいし、DAZNも高いし、そもそもの推し活にもお金を使うし……。
 そういう場合は、カゲツが発信するにじさんJ1関連のツイートに反応するだけでも十分だと思います。ベルマーレ公式のツイートの拡散やフォローも含めてね。

 2年ほどずっと観ていましたが、J1コラボはかなりリスナー側・サポーター側の反応をクラブ公式が見ている印象です。
 コラボが盛り上がれば盛り上がるほど良い方向に進むと思いますので、布教バトル(バトルではない)に乗っかったり、関連ツイートに好意的な反応を示すだけでも十分一緒に楽しめるかと!
 ぜひ一緒に楽しみましょう~。


 というわけで、今年もよろしくお願いします!
 

 以上です。

【ネタバレあり】叢雲カゲツさんと星導ショウさん、Undertaleを初見でやってくれて本当にありがとう……という気持ちをしたためただけの記事

 お世話になっております。藤原です。
 もっと早くブログの書き初めをしようかと思っていたんですが、仕事が忙しくなってしまいなかなか書けずじまいでした。
 なので、これがまあギリギリ書き初めということになります。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


 本題にうつります。

 はじめに……自分はUndertaleというゲームの大ファンです。
 もともとUndertaleが好きすぎて、解釈違いを恐れるあまり人の実況が見られなかったんですが、2年ほど前に素晴らしい実況を観たことで誰かの地下の旅路を観るのも良いなあと思うようになりました。

 とは言ってもやっぱりなかなか踏み切れず、結局その実況以外は観ていなかったわけですが……。
 最近叢雲カゲツさん、星導ショウさんをよく観るようになって、なんと驚くべきことにそのふたりが初見でUndertaleをプレイしてくれました。そんなことあるんだ。

 で、その配信がどっちも良かったんです。どちらもまだNルートしかやってないんですが……。
 良さの方向性が違う"良かった"です。

 そんでもって結構ずっとTwitterでぶつぶつ良かったっすわ……みたいなことを言ってたんですが、いや……ブログがあるやんけ……と思い出すことに成功したので、ざっくり感想を置いておくことにしました。
 今回もぜんぜん長くないです。


※当記事はUndertaleというゲームそのもののネタバレ(Nルートのみ)、及びふたりの配信の致命的なネタバレが含まれるものとなります。
 ご自身でのゲームプレイ、ならびにふたりの該当配信を観てから読むことを強く推奨します。



 *(ブログの かきかたを もう わすれてしまった…)
 *(かきはじめれば おもいだすかもしれない。そうおもったら ケツイが みなぎった)




【UNDERTALE】完全初見アンダーテール【にじさんじ/叢雲カゲツ】 - YouTube
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Part2:【UNDERTALE】完全初見アンダーテール#2【にじさんじ/叢雲カゲツ】 - YouTube


FPS中心ゲーマー忍者が行く地下の旅。
*本当に完全初見。加えてRPG経験が薄く、『ふつうのRPG』として臨んでいる節がある。
*いい子であろうとすることも、逆に殺人鬼として露悪的にふるまうこともない。気の向くままに地下を歩む男。
*そりゃもうバチバチにキレる。「殺すぞ!」も飛ぶ。なので強い言葉が苦手な人はつらいかも。
*それでも、全員が敵なわけじゃない。これは、おちたニンゲン"カゲツ"にしか歩めない、カゲツの物語。




【Undertale】俺がヒーローになる。【星導ショウ/にじさんじ】 - YouTube
www.youtube.com

Part2:【Undertale】俺がヒーローになる # 2【星導ショウ/にじさんじ 】 - YouTube


*なぜか常に愛を求める鑑定士が行く地下の旅。こちらも初見。一部キャラの顔くらいは知ってる程度。
*避けゲーが苦手なので二の足を踏んでいたとは言うものの、普通にちゃんとお上手。
*最大の敵はキーボード+メタトン戦。テンキーレスでプレイするUndertaleは難易度が爆上がりするという啓蒙配信……ではない。
*台詞読みが異常に上手い。パピルスの声がものすごく解釈一致だったのでよかった。
*『ずっとやってみたかった』Undertaleの世界を行く、おちたニンゲン"しるべすた"の物語。




 改めて、どちらも方向性の違う"良かった"配信でした。良さが違うので、同じゲームをプレイしているけど心の別々のフォルダに入っているアーカイブです。
 もともとそれぞれゲームに対するスタンスやプレイする姿が好きな人たちでもあったので、ふたりがイビト山の地下まで遊びに来てくれて本当に良かった。

 二周目以降をやるのかはわかりませんが(カゲツはやらなさそうかな)、いつかまたこの世界に来たいと思ったときに、それを配信してやってもいいかと思ったなら是非観たいなと思っています。


 Undertaleって、本当に最高のゲームすぎる。

undertale.jp

 わりといろんな媒体でプレイできますが、特にPC版は大きいセール(サマー・ウィンターが多いですかね)のときは本体300円、デジタルサントラ同梱で500円くらいまで値下がるので、ふたりの配信は見たから読みに来たけど実はまだUndertaleをやってないんだ……っていうそこのあなたにも是非手に取ってほしいです。



*これは ここだけのはなし なんだけど…。
*このアンダーテールって ゲーム…
*『にしゅうめいこうのエンディング』が すごいって ひょうばんだけど、
*じつは いっしゅうめだけでも たくさん ぶんきがあるらしい。
*つまり どういうことかって?
*…むげんに たのしめるって ことだよ!



以上です。

【ネタバレあり】されど『人』生は続く‐星導ショウのDetroit Become Humanが凄かった話‐

 お世話になっております。藤原です。


 最近も、結構な頻度でめちゃつえーの人々の配信を気になるものだけ観ている日々です。
 良い配信に沢山出会っていて、いくつか感想を書きたいな~と思っていたんですが、昨日完結した星導のデトロイトが凄まじい実況だったので、いやこれはTwitterに放流するのではなく、ブログに書きとどめておこうと思い、アーカイブを観終えてすぐ衝動的にブログ編集画面を開いています。

 というわけでガッツリライト版衝動感想文です。
 長くはないです!

 ※この記事には、ゲーム「Detroit Become Human」および星導ショウの当該ゲーム配信の致命的なネタバレが含まれます。
  当該アーカイブの視聴をしてからの閲覧を強く推奨します。

 前にデトロイトの感想書いたときの書き方を踏襲しようかな。




【Detroit: Become Human # 1】初配信!安道路イドです🛣【星導ショウ/にじさんじ】 - YouTube
www.youtube.com


◇難易度カジュアル。キーマウプレイ。一部ペンタブ
◇本人のゲームスキルや機材の不調を含めQTEはやや×。とはいえ難易度カジュアルのため、それに振り回される姿もまた味。
◇実はデトロイトって水槽を観て楽しむゲームではなくて……(視聴開始10分くらいで自分から出た感想)
◇たまにホラゲみたいな絶叫が出るので音量にはご注意を。
◇今そこ着目する?!みたいなツッコミを入れるシーンも多いが、それ以上に世界観に飲み込まれるシーンが多くて感情ゲーミング好きとしては非常に満足。特に終盤はずっと笑顔になれた。
◇138億歳のヒーローが手を貸しながら視る、アンドロイドたちの旅路の結末は……。


 てな感じです!
 めちゃくちゃいい実況シリーズだったと思います。全パートで10時間ほどですので、人の感情が吸いたい~~~!!と思ったらぜひおすすめです。2023年も半ばを随分過ぎましたが、個人的に今年一番クリーンヒットした実況でした……!




 格納しちゃったせいで記事の長さ短めなので、今更サルバドールめっちゃ良かったね……の気持ちを込めてサルバドール紹介しとこうかな……(マジで嘘みたいに今更すぎるだろ)(もう200万再生に行こうとしている歌なのに?!)


youtu.be
【歌ってみた】サルバドール / 星導ショウ - YouTube


 シンプルに歌が上手いので、この歌を歌いこなせてる時点でもうすげえな~と思うんですが、表現力に舌を巻く歌ってみただなあと。
 「失せろ!」の激しい(が、耳に痛くはない)シャウトから無感情な『お前がな。』に落っこちていくのも含め、聴いていてずっと「面白い」と思えるような一曲です。

 ご本人が自分の歌いたい曲を歌っているだけと仰っているので選曲理由に触れるような感想でちょっとアレですが、星導が鑑定士としてなんか言ってるとき、だいたい芸術……主に絵画の鑑定に触れていることが多いので、鑑定士としてサルバドール・ダリをモチーフにしているこの曲を一発目に歌ったのお洒落だな~とも。
 これもわりと「星導ショウ」というライバーが歌うからこその良さに溢れているカバーだなと思い、もともと自分がそういうライバーの歌みた動画が好きなので、かなり気に入って最近ずっと聴いています。
 

 そんな感じかな。
 多分次に更新するのは、伊波のドキドキ文芸部の感想文かなと思います。あれもめっちゃ良かったので……。


 以上です。

【ネタバレあり】一旦小柳ロウさんの7 Days to End with Youがめっちゃよかった話をしてもいいか。

 お世話になっております。藤原です。

 最近、私はブログをちゃんと書こうとしすぎているのでは? という気づきを得ました。
 もともとこのブログは140文字だと収まらない感情を置いておくための倉庫で、確かにその感情を記すために細かい出典は必須だし、それをまとめるのはめちゃくちゃ楽しいし、何より未来の私が助かるのでいいんですが、それはそれとして、もっとプリミティブな衝動で軽く文章を書いてもいいのではないだろうか……?
 
 というわけで、今回は短めに、良かったな~という配信の話をさせてください。
 なぜなら、鉄は熱いうちに打った方が絶対に良いので。


 ※この記事には、ゲーム「7 Days to End with You」のネタバレが含まれます。
 ご自身でゲームをプレイしてから、または当該アーカイブの視聴をしてからの閲覧を強く推奨します。


 いくわよ~。




【7 Days to End with You】謎の女【小柳ロウ/にじさんじ】 - YouTube
www.youtube.com


 めっちゃよかった……。

 本当に申し訳ないのですが、自分は初配信以降小柳ロウさんをディティカのスプラコラボとめちゃつえの桃鉄でしか見たことがなくて、ソロ配信もこれが初めてだったので、今も正直本人の人となりは掴めていません。ゲームが好きそうなのだけはわかる。わかった。この配信で。

 でもこの配信は、彼のことをあまり知らない自分でも『良い』と思わされるパワーがあった。


 7 Days to End with Youが根本的にめちゃくちゃいいゲームなんですよね。
 もし未プレイの状態でいまこの記事を読んでいる人が居たら、スマホアプリ・Switch・Steam(PC)と結構いろんな媒体でプレイできるのでぜひプレイしてほしいです。アプリ版が一番手軽ですが、Switchはエンディングが追加・Steam版にも今後追加予定なので、物語のすべてを楽しみたい人にはアプリ版以外がお勧め。(スマホアプリ版はもう更新されないことが明言されています)

 このゲームはいわゆるビジュアルノベルゲームなのですが、特筆すべきゲーム性として「主人公は記憶をなくしており言葉がわからず、プレイヤー自身が言葉の意味を推測して当てはめていく」という要素があります。主人公によくしてくれる謎の人が話す言葉。プレイヤーにも読めないそれを読み解いて、その人と交流しながら七日間を見届ける。そんな作品です。
 先に言ってしまうと、7 Days to End with Youは答えがあるゲームです。一応ゲーム内言語にはきちんと法則性があるので、こういった読解が上手いプレイヤーなら読み解くことが可能です。

 しかしながら、7 Days to End with Youは言葉の意味を当てるだけのゲームではありません。
 このゲームが体験として優れているのは、少なくとも初回プレイ時は「自分自身で理解・解釈した言葉で物語を読むことが出来る」という点。
 そのため、プレイヤー本人のストーリー……ひいてはこの物語が紡がれる世界に対しての姿勢や、本人の人間性が強く出るゲームであると感じています。


 それを踏まえた上で、小柳くん(なんて呼んだらいいか分からない)の紐解いた七日間の物語は、彼の静かなやさしさが滲んだ良い物語だったな、と思いました。



<ここから本当にネタバレに入るゾーン>



 ずっと「君が何を言っているのか俺には分からない」「理解したいけど理解が出来ない」という悔しさを時折零したり、言葉を理解できないときに見せる笑顔に心を痛めたり、そう言った葛藤を抱えつつも、想定できる意味の候補を声に出しながら言葉を手繰っていく姿がめちゃくちゃ美しくて見るのをやめられなかったんですが、いや本当に良かった……。
 想像以上にストーリーに没入してプレイするタイプなんですね。「相当愛されてたんだな俺。覚えてないけど」とかのさらりとした言葉も良かったですが、ちゃんと向き合っているその人の表情を見ながら言葉と記憶を推測しているのも良かった。
 恋仲であると判断してからの「ベッド 休む 手伝う」のくだりで語っていた「一緒に私も寝ていい? みたいなことを聞いてきたんだろうけど、こいつが自分の何か分かってない主人公は断ったんだろうな。それで、ああ……そっか、みたいな感じで悲しんだんだろうな。今」の下りもすごい好きです。状況の把握と言語化が上手いんだなあと。
(ここ全部TSあったのありがたすぎる)

 そうやって沢山声にしながら言葉を手繰り寄せて、理解しようとして、そこから迎える七日目が本当にきれいだった。


 すごい前に書いたことがあるんですけど、自分めちゃくちゃ感情ゲーミングに弱いんですよ。

 感情ゲーミングが好きだ。

 何の話?と思われるかもしれない。要は実況者がゲームのストーリーやキャラクターに強く感情移入し、本当にその世界に自分が居るかのように感情を揺らがせながらゲームをしている姿を見るのが好きということだ。
 キャラクターの生死に涙を落とし、物語の展開に心を燃やし、そうやって歩んでいく姿からしか得られない特殊な栄養素がある。それが、自分の既プレイのゲームであれば尚更だ。

俺はアクシア・クローネのUndertaleを観てほしいと思ってる。レオスのデトロイトと、オリバー教授の大逆転裁判もだ。 - 花に嵐

 
 七日目で主人公は死を迎え、これまでの七日間(あるいはループ)で積み上げて来た言葉で最後に語らうこととなります。
 小柳くんは一周目なので、まだ言葉の手札もそう多くはない。そんな中でずっと、「最期に伝えなきゃいけない言葉」を探し続ける。
 

 最高の楽しみ方してる~~~~~~~~~~~。
 既プレイワイ、ニッコニコです。


 この最期の言葉を探している途中のトークが本当に良くて……。
 「本来だったら死……なんだろうけど」「休むって答えるか、死って答えるか……。うわー、ありがとうとかいう単語もないしな」「どっかにありがとうもあったんかなあ、単語」「……おやすみ……しかないな。もっといい単語があるはず、でも」
 そうぽつぽつと語りながら、何度も何度も自分の辞書をスクロールして、最後におやすみを伝える。直接的に死を伝えず優しい言葉を選ぶのも良かったし、あとありがとうを言いたかったのも良いですよね。最期にどう伝えるかは本当に性格がめちゃくちゃ出るからな……。

 7 Days to End with YouのBGMがそもそもめちゃくちゃいいのと、小柳くんの耳に心地よい、けれど悔しさが滲む低音が嚙み合って、ここは素晴らしい実況体験でした。
 ちゃんと向き合ってきたからこその葛藤で、選択で、いや良かった。いま書きながらもう一回見返してたけどやっぱり良い。


 ゲーム実況ってすごい面白くて、こういったテキストの読み上げの良さが本人の演技力に関わらないことが結構よくあるんですよ。
 普通に演技として聞いたら棒読みだったとしても、その時にプレイヤーがストーリーに没入していたからこそ、その読み上げたテキストに魂がこもることが往々にしてある。
 小柳くんは普通に読み上げ自体も上手くてゲームの雰囲気にも合ってたんですけど、このゲームでのテキスト読み上げの良さはその要素も含まれていたな……と思います。


 あとこの実況は〆が良い。
 最後考察タイムと称して本人が得た結論をずっと話していたわけですが、既プレイとしては聴いていてひたすら笑顔になれるものでした。二周目、やってくれ。それしか言えねえ。というかゲーム後のアフター解釈タイムが本当に好きなのでこういう時間を取っていたのも個人的にかなりアガって……。良かった……。

 本人にとっても本当に良いゲーム体験になったようで、アフター解釈後少し興奮しながらいかに良かったかという話もしていたんですが、その中で(おそらくですが)「今までやってきたゲームで一番良かった」と言おうとして「いや、比べるのは良くないな」と踏みとどまり、「本当に良いゲームだわ」と単体で評価したところ、すごく良いなと思いました。
 これはTwitterでも言ったんですが、「今までやってきた中で一番いいゲーム」という評価はその「今までやってきたゲーム」を貶める発言では無いと自分は思っていて、けれどそこを止めて「良いゲームだった」とシンプルな感想を述べる。ゲームへのリスペクト精神があるんだなあ~~!! と嬉しくなりました。ゲームそのものが本当に好きなんですね。もうそれすら知らねえんだ俺ってば……。

 ゲーム実況者はゲームが好きであってこそだと思っているので、こういう……リスペクトをさらりと見せられると、オタクは嬉しい。




 というわけで、思いがけず個人的にストライクな実況配信を観られてうれしかった……という話でした。
 元々彼がこれをプレイするのもたまたまリストで見かけたくらいで(東西ヒーローのリストを作っているのでたまに見てる)、ちょっとポケモンの作業がしたくて作業用BGMになんか配信見ようかな~と思って、その時にふと思い出した……っていうだけだったんですが、いやあ観られて良かった。

 自分はFPSあんま観られないのもあって、彼の配信スタイル的にはもうこれからめちゃくちゃ見るぜェ! とはなれないかなと思いますが、7 Days to End with Youの2周目をやることになったらそれは必ず見ますし、あとこういう雰囲気のゲームを今後またプレイされることがあればぜひ視聴したいな~と。


 そんな感じです。推敲すらしてない気楽な記事だ。内容も多分薄いけど気にするな。もっとこういう風に気軽に感想を書いていけ。



 あ! あと小柳くんと言えば。

 
GOOD BYE / covered by 小柳ロウ【歌ってみた/にじさんじ】 - YouTube
youtu.be


 マジで今更すぎて申し訳ないんですが、ちょっと本人のチャンネルページを見る用事があったので聴きまして。
 いや~~~これも良い! 歌声が思ったよりハイトーンで個人的に好きな音域だったのと、あと選曲が何より素晴らしいですね。
 一応あの……俺はバカだけど小柳くんがふつうの人間に比べれば寿命差あることくらいは知ってるからよォ~~。
 原曲は孫の「僕」と祖父である「あなた」との別離を想う歌ですが、寿命差がある人間がこれを歌うとまた違う顔色を見せるのが面白く、つい先日も話した「そのライバーが歌うことに意味を持つ曲」にハマったので良かったです。


 ……だけじゃ終わらないんだよなァ~~~~~~。
 ついさっきDMで「初配信見てから見るとより効く」という㊙情報を頂いたので、そういえば初配信ストーリーやってたな……! と思って初配信のストーリーパートを浚ってからもう一回聴きました。言われればやる人間です。よろしくお願いします。


 それで思ったんですけど、この曲"ヤバい"ですよね?


 怖くなっちゃいました。ふーん……その初配信した日に上がるのがこれなんだ……。ふーん……。
 ごめん俺普通にストーリー気になって来ちゃった……。


 一匹の白狼がこのにじさんじという舞台でどんな形を見つけるのか、改めて楽しみになりました。
 
 以上です。

それは君が君であった故の物語-セラフ・ダズルガーデンの3Dお披露目に脳を焼かれた話をさせてくれ!

 お世話になっております。藤原です。



 突然ですが、3Dって最高じゃないですか?

 


 3Dで観られるようになった様々な角度や、スクショタイムでのゲストライバーとの会話を見るのも楽しく……



 ライブパートでは3Dならではのダンスを見たり、歌に込められたメッセージを受け取るのも楽しい……!


【#セラフ3D】新たなスタート。あなたが居たから。【にじさんじ/VOLTACTION】 - YouTube
www.youtube.com



 今回は最高すぎるにじさんじの3Dお披露目の中から、先月あったセラフ・ダズルガーデンの3Dお披露目が超ハイパーウルトラスペシャル最高だったという話をしていこうと思います。
 というのも、けっこうお披露目を見ただけでは拾いきれない要素とかがあって……それがめちゃくちゃに良いので……。


 なんでオモコロブロスのグルメ紹介記事みたいな冒頭になったかはマジで分かりませんが、やっていきましょう。


 ※この記事にはメタ要素(ライバーの設定に沿ったRPをRPとして扱う等)が含まれます。
 ※個人の感想・推測・妄想です。ご理解のほどよろしくお願いします。





前置き(読まなくともよい)


 自分はにじさんじに所属するライバーのことを、基本的には「ゲーム実況者」「エンターテイナー」「アーティスト」のいずれかの視点で楽しく見ていますが、同時に「彼・彼女らの持っている『背景』と本人の人格やエピソードが交わった時に見えるキャラクター性の表出」を配信内外で語られるエピソードなどから拾い集め、ライバーである彼・彼女らを再認識するということも、配信を視聴する上での楽しみにしています。
 また、これを見せてくれるのは一部のライバーになりますが、配信やTwitter・動画などを活用したバーチャルライバーが自分自身に内包する物語」の表現も大好物です。
 もともと鳩羽つぐやProject:;COLDのようなバーチャルを活用したストーリーラインが好きであったこと、加えてにじさんじを知ったきっかけが2019年の帰れない百物語とそのアフターストーリーで、そこで黛灰と彼にまつわる物語に触れたりしたこともあって、その傾向がより強くなったように思います。


 さて、前回の記事でも軽く触れた通り、セラフ・ダズルガーデンというライバーは、彼が内包している背景と物語の表現が非常に上手なライバーだと思っています。
 そして、その物語のひとつの到達点が今回の3Dお披露目だったのだな……と、彼のお披露目を見て感じました。

 セラフのお披露目は歌唱→先輩ゲストのスクショタイム→アクション(特技枠)→ダンス(特技枠)→バイオリン演奏(特技枠)→歌唱→(奏斗のお披露目へつなげるリレーパート)という、これまで交流してきたライバーたちとの縁や3Dになることでようやく見せられる特技を披露する、3Dお披露目の構成としては王道なものです。アクション部分やダンスはかなり動けることがわかりますし、何より3Dでのバイオリン演奏はにじさんじでも初めてですから、本人の実力に加えてそういった新鮮さも込みで特にセラフの普段の配信を観ていなくとも十分楽しめます。

 構成・内容共に非常に真っ直ぐなので、かつての一部先輩たちのお披露目のように、3Dお披露目内で何か不穏なストーリーが展開するというわけではありません。しかしながら、彼がここに至るまでの10ヶ月で積み重ねて来た『セラフ・ダズルガーデン』を知っていると、このお披露目は少し違った『物語』を覗かせます。
 自分はそれに脳を焼かれたので、彼が語ってきた過去をかいつまんで解説しながら、ファンとしてどういう視点で今回のお披露目を見て来たのかについて書いていこうかなと。




セラフ・ダズルガーデンの物語

 というわけでまずはここからいきましょう。



セラフ・ダズルガーデンは『元暗殺者』であり、今は幸福な『エージェント』である


 セラフが持つ過去はこちらです。

暗殺が生業の家系に生まれ、幼い頃から暗殺技術を磨いてきた。
素性には謎が多く、複数の名前を使い分けている。
現在は暗殺者を辞め、フリーのエージェントとして仕事を請け負う。

 にじさんじ公式サイト‐タレント紹介ページ「セラフ・ダズルガーデン」より引用
 https://www.nijisanji.jp/talents/l/seraph-dazzlegarden


 元暗殺者というのは非常にセンシティブな背景です。何故なら、彼が過去手にかけてきたのは『人間』だから。
 加えて言えば、彼はファンタジー世界などではなく、バーチャル東京という現実に姿かたちや規範が近しい世界で生きているため、そういうルールの世界だからとか相手は人外であるとかの逃げ場はありません。その上で、ロール上の彼はかつて人間の暗殺を複数件遂行していることが、初配信のロールムービーにおいてわかります。(該当箇所再生時間指定済リンクです)

 現実において殺人は重罪であり、エンタメコンテンツとしての性質と、いま画面の向こうに居る一人の人間という性質を併せ持つバーチャルライバーが背負うには、やや重すぎる過去と言えましょう。
 にじさんじを多少見て来たリスナー視点で正直に言えば、放り投げても誰も責めないし問題のない背景設定である……という認識でした。
 

 しかし、セラフはそうしませんでした。
 なぜなら彼はセラフ・ダズルガーデンで、そういう過去を持って生きて来たバーチャルライバーであるからです。


 セラフは配信の中で、「過去に死のうと考えるくらい苦しんできたこと」「いまは闇から抜け出して光の中に居ること」をよく語ります。自分は彼を見始めたのが2022年12月からなのでまだ半年に満たないくらいしか配信を観ていないのですが、それでも300時間ほど配信を視聴した中で、この2点については覚えるほどに何度も話していました。死のうと思っていたことを明確に発言しているのはこの雑談ですね。
【雑談】人生の幸不幸とは。何が受け入れがたいのか。【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
(時間指定済みリンク)

 あとはRoom4Sで月光を歌ったときの裏話でも「俺はもう死ぬもんだと思ってたから。なんか知らないけど今幸せに生きられてるから」という発言が出て来たりしています。そういった生き方をしていたことを、「俺は髪引っ張ったって目潰したって生きろって場所にいたから」とかでさらりと補足してくる。ところでこれ別にRPとして喋ってたんじゃなくて相撲の話してたところで出てくるんだから怖いですよね。染みついている……。
 なお、これらの破滅願望については後ほど回収される機があります。(後述)


 それだけではなく、昔から電気を受けていたことで電流に耐性があったりジャンプして音を立てずに着地する訓練をした経験や、幼い頃に父親に庭に連れていかれて空手の特訓させられた話催涙ガスだのスタンガンだので色々あっただの、そういう話がぽろぽろと出てきます。なんで? 本人が背負ってきた過去だからだね……。


 そういった背景を踏まえた上で、いまのRoom4Sやその他外部から仕事を請けるエージェントとしてのRPも、配信内やTwitterにちりばめられています。
 例えばTwitterだと、

 こういうのとか……


 こういうのとか。
 配信における任務についての話はかなり散発的すぎて全部提出するのが難しいのですが(それくらい自然にエージェントとしての任務について触れています)、直近で印象に残っているものだと、スパチャ読みで夜勤の話になった際の「一回潜入でやったことがある」とか、上のツイートでの足首を打撲した任務の補足話とかでしょうか。

 過去も現在も含め、セラフの配信ではそういった「元暗殺者」であり「現エージェント」のセラフ・ダズルガーデンを形作るエピソードがいくつも、しかも結構日常会話の延長線上としてさらりと出てきます。
 ということを踏まえてお披露目を見ると選曲で唸らざるを得ないのですが、しかしてこの話はまだ続くのです……。




4月1日に見た悪夢


 にじさんじのエイプリルフールと言えば、多くのライバーがショタになったりロリになったり美少女になったり美青年になったりジジイになったりする日で有名です。
 その例に漏れず、この日のヴォルタは『嘘』の歌みたを上げたり、嵐のような女にTwitterアカウントを乗っ取られたり、BARのママと犬で配信していたりしたわけですが、セラフは正午ごろまでTwitterに不在。頭が痛くなるほどよく眠っていたようです。



 その後同期たちのエイプリルフールにそれぞれ引用で触れると、自分も同じように何かすればよかったと羨んでいました。



 ……しかし、本人に自覚がないだけで――そのTwitterには彼が0時から見ていた悪夢が表出していたのでした。



 ツイート自体は残っているのですが、アイコン込みで見た方が良いため自身で確保していたログにしてあります。
 4月1日の0時を迎えると同時に、セラフのアカウントは「-Ares」に名前が変更され、アイコン・ヘッダー・bioも変わっていました。なおこのアイコンは真っ暗ではなく、画像を弄るとフードを被った黒髪紅眼の少年が現れます。また、ヘッダーも同様の処理をすると血しぶきらしきものが見えていました。
 
 0時に任務の確認を行った少年は、その後深夜3時からおよそ4時間に亘って13名のターゲットを処理し、夜が明けるとそのまま己と対峙するように自問自答を続けます。
 そして12時。セラフが眠りから覚めると同時に、彼のYoutubeチャンネルには一つの動画がアップロードされました。


www.youtube.com


 これまで上げた歌動画について必ず裏話をしてくれたセラフは、今日に至るまで一度もこの動画については触れていません。
 (一応ボダックス先生が動画内イラストを担当しており、その告知ツイートをいいねはしていますが、その後4月1日は体調悪かったわ~と触れたのみでこの動画とTwitterの変化については何も話すことはありませんでした)

 果たしてこのAresという存在が、暗殺者であった頃を更に脚色した悪夢なのか、それとも過去の記憶の追体験か。現状それは定かではありません。答え合わせは永遠に来ないかもしれません。
 ただ途中に挟まれる「また俺は生き残ってしまう」「結局は死ぬのが怖いんだ」という発言は、前述したセラフの過去の破滅願望と一致しています。
 個人的には「13人相手ならどうにもならなくなるかな」という淡い期待が重い。命を奪うと言うことは奪われたくない相手側から本気の反撃があるということでしょうし、そのラッキーキルに期待して、それでも他の誰にもこんな役割を渡せないから自分で降りることもできず、消極的に誰かに殺される夜を望んだまま、訪れてしまった朝に失望と安堵を抱いている。この数ツイートでここまで推測できるくらいに伝わってくるの、すごいよなあと思いつつもシンプルにお辛い……。


 なお、この悪夢について本人から語られることはありませんでしたが、彼の「止まない雨はない。希望はあるよ」「じゃあ今すぐこの雨をどうにかしてくれよ」という『悪夢(楽曲)』に繋がる自問自答については、その後の歌枠振り返りにおいてセラフ本人からひとつの回答が提示されています。

 
www.youtube.com

「俺はさ、師匠が居ると言う話を何度もしたことがあると思うんですけど、師匠が沢山言葉をくれてるんですよ、俺に」
「その中の一つにね、『虹を見るには雨も必要だ』という言葉がありまして。土砂降りの雨に打たれたときに、この雨はいつまで続くのかと嘆き悲しむこともあるだろうよと。ずぶ濡れになってさ、なんて惨めなんだと涙が止まらないみたいなこともあるだろうよと。でも、そこに雨が止んで太陽の輝きが差したときに、その瞬間に虹が架かるんですよ。でも雨が降らないと虹って架からないじゃないですか。虹を見るためには雨を我慢することが必要なんだよって」
「あのとき……あの虹色のね、美しい色を出すには我慢が必要なんだと。土砂降りの雨を耐え抜く我慢が必要なんだと。雨は必ずいつか止むと言ってくれて。そこを我慢しよう、耐え抜こう、あの虹を見るためにって踏ん張れたときに人として成長出来るし、雨が降っているときにそういう風に思って踏ん張って、虹が見られるときが来るよっていうのを忘れないで生きていたいよねって。そういう言葉をかけられたときがあって」
「止まない雨はないとかそういうワード、あまり好きじゃないんですよ個人的には。止まない雨がないって簡単に言ってくれるけど、その時その渦中にいる人間にとって、そんな言葉って何の意味もねえよって思ったりするんだけど。でもそれでも尚、そうやって雨の後に虹が架かるんだということは事実として忘れたくないなという風に思いますし、それで雨が止むまで頑張って耐えたときに、救われるものもあるんじゃないかなという風に思うんで」

(上記配信より書き起こし)


 すっご……(小学生並みの感想)
 おそらく本人にとって本当に重要な話であったとは思うのですが、かの悪夢が雨の路地裏であったこと、そして今にじさんじというステージに立っていることがここまで重みを持つことがあろうか。
 自分は結構この時点で脳が焼かれてました。そして、だからこそこれらを踏まえて観る3Dお披露目が効くんだ……!


 余談ですが、このもう終わりたいとまだ生きていたいに折り合いをつけて「全然地獄に堕ちる覚悟でいる。だから生きてるんだよ」に辿り着いてるの結構すごいですよね。




3Dお披露目の感想

 やっとここに辿り着けたな! ヨシ!
 というわけでここからは、上記の情報を抱えていた自分がお披露目を見てた時の感情を綴っていきます。



ライブパート①-ステラ


 ずるくない????
 
 すみません、デカイ声が出てしまいました。いや、でも冷静に考えてほしいんですけど、あれだけ過去に苦しんでいたことを語った男から、3Dお披露目というライバー人生ただ一度きりの晴れ舞台で出てくる「これはそう 今日を諦めなかった故の物語」は脳が焼けない???? 焼かれたので今回の記事のタイトルになっています。

 振り返り曰く、ステラは「絶対に歌いたい曲」であり、これと「ひとりで生きていたならば」は去年末から既にお披露目での歌唱を決定していたそうです。果たしてエイプリルフールの悪夢をお披露目前に通過したことが必然だったのかは分かりませんが、個人的にはあの雨があったからこそ、「これは まだ僕を諦めなかった故の物語」「世界にとって 僕にとって ふさわしかった役なんて 要らない 知らない 所詮僕は僕だった」がより響いてきて、開幕から号泣していました。多分これが一番早いと思います(お披露目号泣RTA走者)

 歌い方がまた魂の唄って感じで最高なんですよね。幕が上がる前からワクワクと高揚感を味わいながらステージに上がったとは本人談ですが、その喜びが伝わってくる歌唱でした。サビの叫ぶような歌い方も、本人が意識したという「そっと」の静かな歌い方も、ラストの「きっと」がほんの少し掠れて潰れるような歌声なのも、いやマジで魂。一言で表すなら魂。
 
 セラフの熱がこちらにも伝播してくるような、最高の幕開けでした。
 実際お披露目で一番見返してるのステラなんですよね。いつ見てもぐっと込み上げるものがある。カッコいいよお前……。




スクショタイム


 オタクが唯一落ち着けた箇所ですが、自分は過去の記事を見れば分かる通り普通に被験者なので、ゲストでエデン研究職組が来たときは死に際に見る都合のいい夢かな?になってました。現実でした。軽い現実でよかったね~。

 どのポーズも好きでしたし、あと研究職組から始まったアドリブ台詞の流れもめちゃくちゃ面白かったんですが、個人的にウワッ……ウワァーーーーッ!!! となったのは、ポーズ待機中異様にナイフの扱いが上手いところでした。本当に何? 俺もうお前が怖いよ……。手癖でくるくるしちゃうとは言ってたけど、ナイフでもそれをやったらもう……すごいよ……。
 あと教授はいつもオーダーが上手すぎる。プロなのかな……。

 側転オーダーしてくれたフレンにも、首痛めポーズオーダーでなぜかそれはそれで需要がありそうなガチの首痛めを引きずり出してきたりつきんにも、オーダーの熱量怖すぎたけどアドリブ台詞を引っ張り出したレオスにも、普通にシチュエーションとポーズがオタク・大喜ばせだった教授にも、ナイフぺろぺろはマジでどうした? ってなったけどなんだかんだちゃんとカッコイイポーズのオーダーをくれた甲斐田にも、オタクからは感謝しかないです。いや、良かったね~~……。

 あとZ軸を得たミミズクさん可愛かったので3Dで観られて良かったです。また出てこないかなあ。




任務


 オタク待望の殺陣パートを!? と思ったら任務の隠し撮りムービーでした。えにからのカメラ班ってすげ~~!!!

 ボイドラでは複数回聴いていた任務シーンがまさか3Dで観られるとは。その時点で感謝しかなかったんですが、本人のフィジカルが3Dでとうとう観られたのと、戦闘スタイルがマジで普通に喧嘩殺法だったのでしっかりテンションが上がりました。相手のナイフ蹴っ飛ばして別の敵に当てるのとかオタクが好きすぎるやつ。いいんですか?

 あと実は地味に椅子を蹴っ飛ばしている場面が2回ほどあり、前述の足首を打撲した任務が偶然にも可視化されたのもぶち上げポイントでした。まあこの任務とは別の任務なわけですが、なるほどこういう風にその場にあるものを武器にすることもあるんだね……という気持ちになった。最高。


 戦闘職ライバーの3Dにおける殺陣はやはり最高ですが、きちんと任務の1シーンとしてそれを見せてもらえたのはマジで良かったですね。
 ちなみに振り返りにおいてもここに関しては殺陣をやったではなく「休憩中に凪ちゃんから任務来たんだけど」という切り口で話していたので、こういうことを言うとアレですがVtuberを遵守してるな……とちょっと感動しました。ここは振り返りの話も面白いですね。技についての説明が漫画によくいる感覚型の天才みたいな言い回しだったり、任務の中でやってみたい技があってやれそうと思ったらやってみたりしてるとか。ちゃんと任務ちょっと楽しんでるの草なんだ。
 でもこれを職場見学と称するのは笑う。物騒すぎるよ……。




ダンスパート①-ミライ


 無事に任務を遂行し、戻ってきたセラフの次のステージは、ゲストライバーを含めた「ミライ」のダンスパート。
 これがさぁ~~~~!!! いいよねぇ~~~!!!! ダンスカッコ良すぎるんすよね。いやマジで。

 ミライについては本人の振り返りでもにZIPでも結構語られているんですが、複数人で踊る曲をやりたいというきっかけのもとにプロセカを探した結果ミライに辿り着いて、しかもそれがめちゃくちゃ解釈一致しているのがすごい。
 かなりパート分けも拘っていて、個人的にむゆちがルカパートなのが「先輩たち(リリさん・やま)と繋げてくれたのがむゆさんだったから」(プロセカのバチャシンはキャラクター達を繋げてくれる役割があるため)という理由なのがすごく好きですね。オタクは意味がある配役に弱い。

 本人の振り返りにおいて「ミライを選曲した理由は?」という質問からこのお披露目における選曲理由の全体像が語られているのですが、

「俺の人生で経験してきたこと、あとは新たなスタートを切るっていう3Dお披露目という場で、未来への希望であったりとか、俺だけじゃなくて俺のお披露目とかライブとか歌ってる姿・踊ってる姿・弾いてる曲・歌ってる曲、見て聴いた人が、何かその人にとっての元気であったり勇気であったり希望であったり、その一端を担えるお手伝いが出来るようになったらいいなと思っているので、そういう(気持ちを)込めて、全体的な選曲をした」
「だから俺を表すもの、俺を表す曲と、それと俺が伝えたい思いがある曲と、あとはそれを聴いた人が受け取るものが……何かその人にとっての支えのようなものになれると思える曲、そうしたいと思える曲っていうので、曲は全体的に選んでいます」
「それを踏まえてね、アーカイブ等見て頂けたら幸いでございます」

(上記配信より書き起こし)

 
 ミライはそのタイトルの通り「未来への希望」であり、ある意味ではセラフを表す曲なのかな……と感じました。

 自分はプロセカをやっていなくて、今回感想を書くにあたってミライ実装イベのSame Dreams,Same Colorsを一応全部観て来たんですが、このストーリーって冬弥が「これまでの人生で体験できなかった『新しい経験』に挑戦する」ことが主軸になっているんですね。
 その結果ビビバス4人はより絆が深まって、このミライという新曲が「いつもより合っていた」という形で完成する。この選曲においてセラフが冬弥の背景や境遇にシンパシーを感じていたという話はにZIPで語られていましたが、そういったことを踏まえてミライの冬弥パートである「探してたんだよ 僕らが笑える場所」→「見つけたんだよ 僕らが笑える場所」を聴くと、セラフが仲間や先輩たちと笑える場所であるにじさんじに来てくれて良かったなあという感情が湧き上がって来て熱くなりました。
 セラフ自身も自身が新たな経験をしていくことや成長の過程で誰かに勇気やきっかけを与えられたら、という活動方針を定めている人なので、この冬弥の新しい経験がユニットにきっかけを与えるストーリーがバックグラウンドにある「ミライ」が選曲されたの、いいですね……。

 あとダンスが本当にカッコイイ。なんだ……? お前何なら出来ないんだ……?




ダンスパート②-いのちの食べ方


 で、そういった選曲方針があることを話しつつ、他の曲が全部明確に前を向いた曲であることを踏まえた上で、ここにいのちの食べ方が挟まるセットリストはちょっとお洒落すぎませんかね……。
 個人的にこれは「セラフの人生で経験してきたこと」「セラフを表す曲」に該当し、悪夢に対応するものであると思っています。
 歌詞が結構ガッツリ孤独と切望なんですよね。歌詞とMVを含めけっこういろんな解釈がある曲ですが、かつて暗殺者という家系に縛られていたセラフが歌うと「テーブルをみんなで囲みたかったんだ ナイフを突き立てては 君の喉仏を裂いて指先を湿らせたんだ」とかが愛を求めるものであると同時にそのままの意味になってくるのもなかなか面白いなあと。この辺は前にも話した「バーチャルライバーだからこそ生じる物語性」であっていいですよね。
 
 3Dお披露目というのはそのライバーのここまでの全てが詰まったお披露目で、その中でセラフは自分を表す曲も選曲のうちに含んでいて、だからこそ「いのちの食べ方」というこの曲が選出されているのに、ああ暗殺者であった過去も含めてセラフ・ダズルガーデンだし、全部未来へ持っていくんだな~と感慨深くなりました。

 そんでこの曲さぁ!!!! まず歌唱もすごいよね。サビの最高音ファルセットに逃げずに地声でこだわったのもようやる。よう出とる。
 ダンスの振りは振付師さんにつけてもらったオリジナルとのことなんですが、このダンスについての裏話も熱いんですよね。ソロで踊るんだったら誰がどれくらい踊れるかを考える必要が無いので、セラフが出来る最大火力でやれるやつにしようっていう方針で構成されていったという……。実際は慣れてきたにあたってまだやれたかもという感じではあったようなんですが、やっぱお披露目でその時の最高域が見られるのってブチ上がりますよね。
 この振り付け、本人の表現意識もあってかセラフの服のひらみが緩急でめちゃくちゃ映えるすげ~~カッコイイ振りなんだよな……。ダンス全然わかんないからカッコイイしか言えない。でもマジで格好良かった…………。




バイオリン演奏-町の想い出


 セラフの初配信で一番印象的だった部分ってやっぱりバイオリン披露だと思っていて、自分はそうだったので彼がデビューしてからずっと3Dでのバイオリン披露が見たかったんですよ。
 叶った……。
 あとなんかバイオリンキャスで弦変えてたのが伏線だった……。わかるかそんなもん!!!!!!

 後日談を聞く限り弦月ももうちょっと出来たなとは思うと話していたし、セラフも本番は湿気のせいかバイオリンの調子があまり芳しくなかったようで、のびのび演奏出来たながらも二人にとってはほんの少し心残りがある演奏ではあったようですが、それでもこの2人のセッションで初めてセラフの3Dでのバイオリンが観られて良かったなあと思います。
 朝日昇るウユニ塩湖ステージでのバイオリン、シンプルに美しすぎるんですよね……。
 あと選曲が誰もが知っているようなクラシックや、初配信の時のようなJ-POPではなく、本人が強く影響を受けている古澤巌のオリジナル曲だったのも良いですよね。まさしくセラフの軌跡でもある……。

 最後の方手が震えていたというエピソードも含め、視覚的にも聴覚的にもグッとくる演奏でした。またバイオリン演奏観たいなあ。個人的には最初に疑似セッションしたエリコニちゃんとの3Dセッションもいつか観たいところです……!




ライブパート②-ひとりで生きていたならば


 ずるくない???????

 失礼しました。2度目のデカイ声が出てしまいました。
 いや、でも冷静に考えてほしいんですけど、そもそも雨が物語において重要なファクターだった男が青空の下で、笑顔で歌っているというその光景がもうずるいですよね?

 アカペラスタートのこの曲ですが、始まりのコード弾きがない状態でもきっちり音を合わせて来たのは流石の音程自信ニキだなという感じでした。本番前の大博打に勝ってるのカッコよくて草。
 本人が強く影響を受けていると公言しているSUPER BEAVERからの選曲、いいですよね。この曲は未来への希望であり、宣言であり、そして伝えたいメッセージが込められた曲なのかなと思っています。

 自分は3Dお披露目でライバーが一番最後に歌う曲って全部リスナーに伝えたい本質を包んでいるものだと思っていて、だからこそラストの歌唱がこの歌だったことにかなりグッと来ているんですが……。
 加えて言えば、その前に「いのちの食べ方」を挟んでいるセトリの妙もあるし、これまでセラフがかつて苦しみを抱いていたことを話してくれ続けてきたこともあるし、結構前の雑談で「寂しいと思う頻度が増えてしまった」「心が弱くなりました。というよりは無機質じゃなくなったのかな」と発言していたり、歌枠で歌った世界の真ん中を歩くのMCで「君たちと出会ってだいぶ変わりましたね。すごく楽しくなりました」と告げていたり、そういう積み重ねがあったからより刺さったのかなあと。
 いまの『セラフ・ダズルガーデン』はもうヴォルタの仲間やにじさんじの先輩、そしてリスナーが居るからひとりではなく、そんな男からの「ひとりで生きていたならば こんな気持ちにならなかった」「自分自身を諦めそうなときに 思い浮かぶ 人と想いと記憶と ともに心の底から笑い合うんだ それだけ譲らずにこだわっていくよ」がお披露目の最後に飛んでくるのはもう、すごいじゃん……。いま聴き直したらまたちょっと泣けてきた。多分これが一番遅いと思います。
 あと「こだわって生きると 今一度言い切るよ」がいいですよね。生きることに対し、然して執着がないとこだわりも抱けないので。こだわって生きると言い切れるほどに今をちゃんと生きている。格好いい男だよ。
 終盤の「僕ひとりの話ならば こんな気持ちにならなかった 僕ひとりの話ならば いくつ誤魔化してもよかった」のところ、ひとりの話ならば いくつ誤魔化してもよかった」に歌詞変えしてるの、より自分の言葉としてメッセージを伝えたい気持ちが伝わると共に、バンドのライブが好きな文脈を感じてそれも良かったです。ライブは往々にしてそういうことがあり、そういった歌詞変えがまた良いのだ……。

 MCは全部アドリブだったと言うことですが、最後の晴れやかな「あなたが居たから立てたこのステージです。あなたが居たから笑えた今日です。今日は紛れもなく、俺にとって大切な大切な1ページになりました」で結構ビックリするくらい涙が出て、自分ってまだ涙腺にこんな水分残してたんだ……と驚きました。ここの語りかけが画面の向こうにいる「みんな」じゃなくて「あなた」相手なの、リスナーと言う有象無象のひとりひとりの目を見ていて、あ~~~~どこまでも真っ直ぐな表現者だなあ!!! と大の字になりました。良すぎ。

 そんでもって本当にラストの「また次の配信でお会いしましょう。ご視聴ありがとうございました。お疲れさまでした。じゃあね、ばいばい」って、セラフの配信のいつもの終わりの挨拶なんですよね。
 これもすごく好きで、この3Dお披露目と言う日がセラフにとっては特別で大切で、そしてこれまで続いて来てこれからも続いていく日常の1ページなんだなと思って、それも良かったです。オタクは重要な回で1期のEDが流れたりするのに弱いからな……。


(2023/06/12追記)
 この記事を読んだ方から感想と共に、以下のような情報を頂きました。

これはお披露目後にみつけたのですが、SUPER BEAVERを好きになったのが昨年の夏頃のフェスだそうで。ライブで圧倒されたと話していました。「あなたがとか胡散臭く言えるのが凄い」(曖昧です)という話をしていました。お披露目配信で何度も「あなたが」と言ってたのが、そのフェスで出会った人たちに影響されて言えるようになったのかなと考えたら嬉しい気持ちになりました。

 記事を書いていた時に、そういえばセラフが影響を受けていると振り返りでも明言していたビーバーもBUMPもMCであなたたちじゃなくてあなたって言う人たちなんだよな……というところをカットしていたのですが、この情報を受けて、いやそれは確認せなアカン!!! と思い当該アーカイブを探しました。ありがとうございます!
 だいたいこのあたりからビーバーについて語っているのですが……。

「極論言うとさ、音楽をやるっていうその世界において、上手いとか下手とか……まあ大事だけど、上手いから響くんだけど。無くてもいいよなあっていう風に思ったりして。届けたいものがあって、それが届いたらそれが一番いいよな。そういう音楽をやりたいなと思いました。昨日は」
「だってさぁ……ねぇ? あんな大勢の人間が見てる前でさ、『愛してるが歌いたい』だの、『ありがとう』だのさ、『あなたたちが居るから』だの、そんなさ……普通に言ったら恥ずかしくて臭い臭いあいたたたたってなっちゃうようなことをさ、大声で叫ぶんだよ。最高だよな」
「だから……もしね、今後俺はライブやりたいなって思ってるからさ、まあそれ相応の力をつけないと、やらせてはもらえないと思ってるんだけど。やりたいなあっていう風に思ってるから。そのときは、自分が……自分の表現し得るすべてのものでぶん殴れるようになりたい、なっておきたいと思いました」

【Minecraft】図書館作るぞおおおおお【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube より書き起こし)


 か、完璧な回収すな~~~~~~!!!!!!!!!!!!

 このあと「フェスでSUPER BEAVERを聴いて泣いた」という話に繋がっていくのですが、それくらい感銘を受けたバンドの表現を受けて、数万人が見届けるお披露目の前で、「今日は、本当に本当にありがとうございました。あなたが居たから立てたこのステージです。あなたが居たから笑えた今日です。今日は紛れもなく、俺にとって大切な大切な1ページになりました」が出てくるわけじゃないですか。まだお披露目が遠い未来だった頃のセラフが見た、そんな恥ずかしいことを大声で叫ぶ憧憬を彼は叶えたわけじゃないですか。しかもこのMC全部アドリブだそうですから、セラフの本心から出て来た「あなた」への言葉なんですよね。
 そして歌もダンスもアクションもバイオリンも、5月19日までのセラフの持ちうる全てで、このお披露目はリスナーのことを殴ってきたわけじゃないですか。

 それはもう、すごいことすぎる。
 もともとそうだと分かってはいましたが、やはりセラフは自己プロデュースと自己実現の鬼だなと思いました。ていうか輝きに憧れた人が同じ輝きを放つことに弱すぎるため、ここを聴いたことで情緒が大変なことになってしまいました。どういう顔してひとりで生きていたならばのパート聴けばいい? 今後……。


 MCも歌詞変えも含め、セラフがバンド文化に出会い、それを愛してくれて良かったなと心から思います。
 今後ヴォルタが舞台に立つときが楽しみすぎるな。一体どうなっちまうんだ……。




エンディング-そして雨は止む


 お披露目リレーということもあり、これまでの四季凪・雲雀のお披露目は必ず最後に次のメンバーにバトンを渡すストーリーパートが挿入されていました。
 もちろんセラフの配信も例に漏れず、最後はこのバトンパートで終わります。
 ……が、このパートがすごい。マジですごい。


 雨降る夜の路地裏を歩くセラフから始まったこの映像に、セラフの活動を追ってきたリスナーは高確率で4月1日の悪夢を思い出したと思います。
 しかしそこから続くのは、襲い掛かってきた追っ手を気絶させて平和的に処理し、奏斗へ電話をかけて物語のバトンを渡し、仲間が待つカフェへ向かおうとしたところで雨が止む――そんなささやかな物語でした。

 雨の上がった空を見上げたセラフが「……あ、止んだ」と呟き、友人が待つカフェZeffiroの扉を開けて終わる。
 描写としてはただそれだけなんです。でも、そのただそれだけが、あの悪夢を見た身にどれだけ刺さるか。そしてどれだけの物語性を持っているか。


 美しいなあと思いました。お披露目において悪夢の具体的な姿が出てくることもなく、そういった過去があったことをお披露目本編で明確に見せることもなく、ただこれまで語られた言葉で積み重ねられて来ているから、セラフが青空の下で笑いながら歌う姿、雨の路地裏、殺さないで気絶させた追っ手、仲間との電話、「……あ、止んだ」の一言。それらのシーンが積み重なるだけで、ああ救いはちゃんとあったんだって分かる。すごい構造だなと。

 そしてそれらの物語を何も知らなくても、追っ手に襲われたのを処理し、奏斗へ事後処理をトスし、そのまま一緒にご飯を食べに行くという、若干のアクション要素を含んだセラフらしいストーリーラインになっていることに、シンプルに感動しました。
 何度見ても良すぎる。すごいな……すごい……。


 あとこれは本人が振り返りで話していたのですが、「入りのタイミングで降っていた雨がお披露目後に止んでいた」っていう話、すごくないですか?
 セラフの物語って雨が重要な要素になっているという話はしましたが、その結実の日に現実世界でも雨が止んでるの、そこまで来たらもはや運命だよな……と感嘆しました。すごすぎ。人間はすごいことが起きすぎるとすごすぎしか言えなくなります。





終わりに


 初めに話した通り、自分はバーチャルライバーが自身に内包している物語を魅せるための表現が大好きです。
 だからこそ、セラフのお披露目の終わりを見て、その描写がこれまで積み重ねて来た暗殺者の少年の物語に繋がっているのだと感じて、うわ!!! まだこんな表現があったんだ!!! こんな風に物語を表現できるんだ!!! と本当に嬉しくなりました。
 ……まあ、全部自身の解釈なので! 特に意味なんかないかもしれませんが! そこはね、表現ってそういうものですから。見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込むこともあろうよということで。

 いずれにせよ、そういう風に心を揺らされたからこそ、このお披露目は私にとっても大切なものになったのだと思います。

 
 以下余談。


 めっちゃ長くなっちゃった! まぁいいか!
 とにかく、セラフの3Dお披露目はマジのマジに最高でした。今も何度も見返してます。やっぱステラがね……いいね……。本当にいい……。魂の歌唱っていいよね~。
 これから3Dの身体を得たセラフがどんなものを見せてくれるのか、それもすごく楽しみにしています。
 ダンスめちゃくちゃやる気のようなので! いろんなことが見られるといいなと思います。


 以上です。

セラフ・ダズルガーデンの誕生日なので彼のアトラクトライトを聴いてほしい話とかをする

 お世話になっております。藤原です。
 意外にも今年初めてのブログ更新と相成りました。本当はJ1コラボやらなんやら色々書きたかったんですが、まぁ……その……なんだ……。
 原稿は計画的に、ということですね……。

 さて、今回こうしてキーボードを叩いているのは、いま一番追っているライバーであるセラフ・ダズルガーデンの誕生日がすぐに差し迫っているからで、おおよそ10億年前の古来より推しの誕生日には推しの好きな配信などをまとめた記事を書いていいものと定められています。もう知っているね?
 というわけで、今回は誕生日にかこつけていつもの推しを語るやつをやろうかなと。

 今までは配信の紹介がメインだったんですが、自分もちゃんと見始めたのが去年の12月くらいということであまりちゃんと追えているわけではない……ので、今回は一番感銘を受けた、彼の「アトラクトライト」のカバーについて少し話そうと思います。


 ではやっていくわよ。





youtu.be
アトラクトライト / *Luna(Covered by セラフ・ダズルガーデン) - YouTube


 いいんですよ……。


 前提として、自分がライバーの歌で好きになるのは「単純に声がめちゃくちゃ好き」か、「そのライバーが歌うことに意味や文脈がある」のどちらかを満たしていることがほとんどです。後者はたとえばIQ10000垓が歌う天才ロックであったりだとか、かつて人だった神様が歌う神っぽいななどが当てはまり、要はRPに沿った選曲が好きだったりします。やっぱりバーチャル存在のおもしろさってそこにあると思うので。
 自分は根本的にセラフの声が好きなので、シンプルに前者も当てはまります。もともと最初の歌みたである「永遠のあくる日」にハマったのもそこからでした。声が好きな理由は言語化が上手く行かないのですが、まぁ魂に刺さったということで、何卒。

 ただ、いくつか上がっている彼の楽曲カバーの中でもアトラクトライトがこと刺さるのは、「セラフ・ダズルガーデンとしてこの歌を歌いたかった」理由が本人から話されていること、そしてその理由を果たすに至るまでの本人の努力などが明言されていることが大きいです。
 これはもちろん後者に当てはまるのですが、RPに沿うというよりは「これまで積み重ねて来たセラフ・ダズルガーデン」に沿うものなので好き、という感じ。


 その『理由』がすごく良いんですが、知るためには二つほど配信を挟まないといけないので、セラフのことあんまり知らないぜという人向けに以下カキシルス……(あ!セラフがまだ捕まえてない厄災だ!)




 もとよりセラフ・ダズルガーデンと言う人は、デビューして早々から自身の勉強してきたことについて触れたり、学生リスナーに向けて勉強方法をアドバイスする傾向にあるライバーでした。
 この辺については配信が散っているので切り抜きを置いておこうね……。
 【かしこい】セラフ・理系ガーデンまとめ【にじさんじ切り抜き/セラフ・ダズルガーデン】 - YouTube
 これまでやっている膨大なマイクラ配信がほぼ雑談枠になっているため、私自身も全て拾い切れているわけではないのですが、私が見始めた冬頃も、共通テストが近づいていたこともあってかよく学生にエールを贈っていたのを覚えております。


 さて、アトラクトライトのカバーを公開するにあたり、告知を兼ねてセラフは一つの企画を行っています。


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【受験生応援】一緒に数学しよう。解答・解説もします!~この問題が解けたら俺、告知するんだ~【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube


 この配信が行われたのは1月5日。2023年度の共通テストをおおよそ10日後に控えた日程で、もちろん直近の共通テストだけではなく、そのあとには一般入試が待ち構えていましたし、さらにはひとつ年齢層を下げると高校入試もあったわけですから、年始の浮かれた気持ちを引き締めてこれから受験に赴く受験生リスナーたちの背中を押すにはうってつけのタイミングだったわけです。
 
 もともとが理数系であることもあり、ある程度問題で苦しみつつも、数学に引っかかっている受験生へ向けた丁寧な解法の解説を交えた配信でした。
 当然勉強中の学生リスナーには参考になったことでしょうし、もう勉強からは遠く離れた文系社会人でもはぇ~すっごい……と口をあんぐり開けながら楽しむことが出来たので、ぜひ作業用BGVにお勧めしたく思うのですが……。
 それはさておきこの配信の終わりに、明日アトラクトライトの動画をアップするよ~という告知がなされたんですね。

 自分はもともと少し前に*Lunaさんの別の曲をお勧めされた折にアトラクトライトも聴いていて、その時から好きな曲だったのでサムネが出たときはうれしいなあくらいだったんですが、「アトラクトライトがもともと受験生に勇気を与えてくれた曲として有名だったので選曲した」と続いたときに、ああこういう理由がある選曲っていいよな~と。
 その時点で既に、腕を組みながら「いいねぇ……」と呟くオタクになっていたんですが……。

「で! 今回はですね、やっぱね受験生の皆さん! 頑張ってると思うんです。そう。日々、毎日ね、勉強して頑張ってると思うので、俺も何か頑張らなきゃなと思いまして。今回、えー、ボーカルミキシング、セラフ・ダズルガーデン自身がやっております」

「なので、みんなと一緒に俺も頑張ったよ。だから受験生のみんな、そしてこれから受験を控える学生のみんな、そして日々を生きている社会人の方。がんばろう! という感じの歌ってみたとなっております」

(上記配信より抜粋)


 社会人のオタクはそういう眩しさに弱い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 失礼しました。デカイ声が出てしまいました。
 自分はもういい歳をした社会人なので、シンプルに"眩しい"な……と思いました。というのも、セラフはバイオリンが弾けることもあり音楽にこそ長けていますが、後述する振り返り枠で語られる通りボーカルmixはこれが初めてだったわけで……。"アツい"じゃんそんなの……。
 しかもやっていることこそ違えど、努力を積み重ねて新天地に挑む人たちを応援するために、自分も努力するのはもう……最高のエールじゃん……。


 オタクはいっぱいいっぱいでした。というかここからオタクが加速した気がします。本当に、そういうのに弱いから……。古来より背中を押すだけではなく一緒に歩んでくれる人に弱いって決まってるから。10億年前の過去から来たと噂の古代パラドックスの藤原もそういう生態でした。

 そして、アトラクトライトのカバーが翌日公開され、そのまま振り返り配信へと続きます。





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【雑談 】アトラクトライト、ありがとうございました!【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube



 ……頼む!!!!!!!!!!!!
 3:30~10:00までの選曲理由だけでいいから見てくれ!!!!!!
 それだけで いいから

 ↑ちゃんと3:30~の時間指定箇所に飛ぶURL


 見てくれましたか? ありがとうございます。恐れ入ります。ここまでをお伝えしてこの記事は早くも終了です。ありがとうございます。すみませんどうも。


 ちょっと観るのは時間がないな……という方向けにもう少し続きます。
 ここは是非セラフ自身の言葉で聴いてほしいのですが、要約すると

「かつて学生だった頃に勉強を頑張っていた時期があり、勉強することの大変さもつまらなさも楽しさも味わった。受験生は一般に好まれない勉強と言うカテゴリを長い時間続けていく。そういうときに音楽が力をくれる。自分も音楽を聴いて救われていた時期もあった。その中で受験生にフォーカスしたときに、アトラクトライトは受験生が毎年頑張ってきます!というコメントを残していく曲だと知っていた。だからアトラクトライトを歌いたいと思っていた」
「歌うだけでも良かったが、受験生に頑張れと言うのに対してじゃあ自分は?と考えた。だからセラフ自身も目に見える形で『挑戦』したいと思い、mixと前日の数学企画を一連の流れでやった」

 みたいな感じでしょうか。本当にざっくりまとめたので、重ねてになりますがぜひセラフの言葉で聞いてほしいです。よろしくおねがいします。


 驚くべきは、この歌を「にじさんじ所属バーチャルライバー」のセラフ・ダズルガーデンとして出したいという構想がデビュー前からあったこと。
 本人がこの振り返りにおいて、自身の活動におけるモチベーションとして「自分が成長していく過程の中で、誰かが一歩踏み出す勇気やきっかけを与えられたら」と語っており、今回の「受験生の背中を押す」ということがそのうちの一つであったことも話しています。


 ……っか~~~~~!!!!!!
 勝てねえ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!


 いや活動者が生み出したものを享受することは別に勝負でもなんでもないんですが、この話を聞いたとき自分はもう大の字になって寝転がり、深い溜息を吐いていました。
 シンプルにそういう筋が通った活動方針に弱いし、その具現化は眩しいし、自己実現を叶えるのはカッコイイことだなと思います。
 余談ですが実際にセラフの配信を観ていると、彼をきっかけにバイオリンを始めた人やその配信を支えに新しい道を歩み始めた人が結構よくいらして、良い関係性を築いているなといつも思っています。みんな眩しいね……。


 なお初めてのmixについては独学+同期の雲雀からアドバイスを受けつつでなんだかんだ1ヶ月、納期ギリギリまでかかったそうで、その前に話している「今までで一番リテイクを出したRecだった」という話も含め、選曲と込めたメッセージだけではなく、音作りもとても拘っていると本人は語ります。
 私個人の感想となりますが、真っ直ぐでクリアな歌声はアトラクトライトという原曲によく合致しており、MVで描かれた朝焼けのような爽やかな仕上がりだったな~と感じました。そう! 理由込みで好きだと言ったがそもそも歌唱がめっちゃいいのだ。冬の朝にも春の日にも合っていたし多分夏の夜明けにも秋の少し冷え始めた風にも合う。曲がいいね、まず……。

 セラフはいつも歌ってみたを上げた後に裏話をしていて、毎回その選曲であることで何を伝えたかったか、何を表現したかったか、何を届けたかったか、歌うにあたってどんな技術を入れて表現したかということは絶対に教えてくれるんですが、今回は特に「君らの背中を押したかったから、より一層中途半端にしちゃいけないなと思って」から切り出されたので熱いな~と思いました。
 この辺、もとから音楽で表現してきた表現者だなという感じがします。(知らない方向けに言うとセラフはバイオリンを結構ちゃんとやっていたのでコンクールとかも出ていた経験がある) もちろんすべてを語らないこともまた善しですが、それはそれとしてオタクはこだわりポイントを聞くと、嬉しくなる。


 あと、本人の言葉で出た

 「誰かの心に火を灯すというのは、自分の心に火が灯っていないと成り立たないことだと思ってて」

 が強い熱を感じてこれも好きです。真っ直ぐに迎え撃ってくるやつに弱い。ずっと知ってた……。




 というわけで、セラフの数々の思いや努力の結晶であるアトラクトライト、ぜひ一度は聴いてみてはいかがでしょうか。


 コンセプトこそ真っ直ぐに受験生へ向けた応援歌ではありますが、ではもう受験を終えた大学生は? もう新しい挑戦をしない社会人は? そこには向けられていないのかと言うとそんなこともないと思います。
 個人の感想ですが音楽ってどれもサラッと聴いて良いものだと思っていて、でもいつか音楽から得られる何かが本当に必要になった時、その歌の中に込められたメッセージって急に届くんですよね。
 だからどんな立場の人でも、いつか何かに挑戦することになったらその時はセラフがこのカバーを送り出すときに込めた思いに背中を押されることもあるだろうと思いますし、別にそんな日が来なくても込められた思いや技術自体は全て本人が語ってくれてるので、素晴らしい創作物だなあ……とガラスケースの展示を見るような気持ちで聴いたっていいんじゃねえかなと。もう日々の出勤くらいしか頑張れない終わりの社会人は、毎朝出勤の時にアトラクトライトに背中を押される気持ちになりながら聴いていますよ……みたいな話でした。


 いや、信念がある創作物って良いよね~。
 自分は楽曲に文脈を見出したい人間なので、ああでも「バーチャルライバーだからこそ創れるもの」ってこういうパターンもあるのか! と新鮮な思いになったカバーでした。





 結局なんか好きな配信紹介したくなったからいくつか置いておきます。




【Mix見せます!】作っていただいたファンソングを収録、Mixします!【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
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 アトラクトライトから始まったmixの一つの到達点をなんか配信で見せてくれた。いいんだ。
 ワンコーラスだけなんですが収録から見せてくれるので、実際の生歌→mix後の変化がより分かりやすかったり、あと使用ソフトで出来ることの解説や紹介をしてくれるので普通に勉強として面白かったです。知見~。




【登録者20万人記念歌枠】感謝の20曲歌いきるまで帰れまテン【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
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 初歌枠。選曲が邦ロック・オタク・殺しなのでマジで良かったです。自分の好きを詰め込んだセトリが一番強い。
 ちなみにこのセトリもかなり意味を持って組まれているので、裏話配信も合わせてオススメです。
 本人がもともと好きなビーバーから2曲あるのも嬉しいんですが、フェスからバンド系をよく聴くようになったとのことで、フェスの常連ことフォーリミから選曲されているのもめちゃくちゃ嬉しいところ。フォーリミ歌ってくれるライバー本当に貴重なんですよね……。歌詞の甘噛みはご愛嬌。

 個人的にそれ以外だとライカと花の塔が好きで結構何度も聴いてます。マジで選曲がいい。いつかBUMP歌えるといいな~。




【ゼロから始めるギター練習:1日目】本当にギターについて何の知識もない男による挑戦。【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
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 現在多忙のため2日目未定ですが、ユニットオリジナル曲である「Watercolor」を弾きたいというチャレンジ。
 マジでただギター練習してるだけなんですが、自分はこういうの聴くのが好きなので作業用としても挑戦としても気に入ってる配信です。
 普通に上達が早いことないか?




youtube.com


 お勧めしたいのはプロセカ大会に向けた練習配信×2
 どちらも特にストーリーを読んだりせずただ譜面練習をしている回なんですが、「音楽をやる人」視点で各ボカロ曲について語っており、個人的にそれが聞いてて面白いです。あとはるまきごはんが好きすぎ。
 普通にプロセカ上手いのも笑う。なんで今まで隠してたんだ。




twitcasting.tv


 なんですか? このタイトルは……。
 最初の30分は吸音材貼りながら雑談なのであまり興味がなければ飛ばしてもかまわないのですが、30分頃からバイオリンの弦の張替えと新しい弦での試し演奏になります。クラシックから色々弾いてくれます。
 ものすごくガッツリ音が変わってかなり興味深いのと、個人的にこの音が好きなのでお勧めしたく。

 ちなみにバイオリンキャスはもう一つあって、

twitcasting.tv


 これも20分くらいからおよそ40分間ほど演奏してます。上で紹介したものと合わせて聴くと更に音の違いが分かりやすいかもしれません。




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 オクトパストラベラーやってくれるのはマジで有難い。
 現在多忙のためやや不定期気味ですが、毎週水曜に通常配信が出来る場合は定例オクトラをやっており、だいたい二時間くらいの追いやすいシリーズになってます。
 わりとセラフのストーリーというか登場人物へ対する反応が好きなのと、オクトラそのものがいいゲームなので毎週あるかな? と楽しみにしてたり。
 水曜日は集金の日




【GeoGuessr】君は世界のどこかに突然立たされた!さあ、どこにいるでしょうか!(ニヤニヤ)なゲーム。【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
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 意外とジオゲッサーが上手い。初見に向かってなんだその精度は。
 今回は日本国内オンリーなんですが、こと一番面白いのはとある大学に降り立った回で、急にバーチャルオープンキャンパスが始まるのでお勧めです。なんでそんなに詳しいんだ。
 海外編も観たいな~。




【 It Takes Two (前編) 】二人で力を合わせてクリアを目指す!【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
【It Takes Two(後半)】離婚寸前の夫婦がクリアを目指してトンデモアクション【四季凪アキラ/にじさんじ/VOLTACTION】 - YouTube


 相方である四季凪とのコラボ配信だし前後編合わせて10時間程度なのでまあまあ長いんですが、まあ10時間までなら紳士のたしなみよねってことで。
 自分はこのゲームほぼ初見だったんですが、セラフの意志と思想が強い理想論者なところと、色んな意味で現実が見えててその理想論にストップをかけられる四季凪のコンビが、このゲームのストーリーを一緒に見ていくにあたってかなり面白かったです。でもゲームの最後に思わずグッとくるのは四季凪なんですよね。いいですね。
 セラフがわりと珍しく明確に怒るのもなかなか興味深い。見ただけの価値はあったな~と。




【マイクラ】返り咲き全力怠惰クラフト。【セラフ・ダズルガーデン/にじさんじ】 - YouTube
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 マイクラの内容というより配信中の雑談でこれまでのバイオリンの経験について話しているのがおおっとなる回です。
 にじクイ特番の直後だったので、バイオリン格付けチェックで高いバイオリンと安いバイオリンを弾いた話から色々派生してってガッツリバイオリントークに……みたいな流れ。
 
 この配信の中でバイオリンに挫折しかけて、「数えきれないぐらいバイオリンを地面に叩きつけてぶち壊そうとして寸止めでやめてんだよね。数えきれないぐらい自分の弓をへし折ろうとして踏みとどまってて」いたという過去があったことが語られるのですが、その話が「でもだから今楽しく弾けてるから」「それでも音楽をしたかったから続けてるんだろうなと思うけど」と結ばれるので、まさしくアトラクトライトの「いくつもの挫折を超えて いくつもの冬を超えて」だなあと思わされます。ので、アトラクトライトにまた強い文脈があるなあと。
 だからわりとこれも込みでお勧めしたく。




 こんくらいにしておきましょうか。わりと厳選しようと思ったら想像以上に多くなったしまだいっぱいあったので、また一周年あたりにでもまとめようかな……。今回はあくまでアトラクトライト聴いてくれ!!!!!!!!!! の魂の叫びなので……。


 セラフ・ダズルガーデン、面白い人です。
 まあこれは余談なんですが、多分自分がセラフのことを好きなのって、ものすごく『Vtuber』だからだと思うんですよね。
 わりとがっつりメタな話なので、ちょっと折り畳みにしておこうと思います。

 てな感じでしょうか。


 改めて、誕生日本当におめでたいです! ハマるのは少し遅かったですが、ライバーとして初めての誕生日をこうして祝えてとても良かった。
 これからものんびりまったりと応援していけたらと思いつつ、アトラクトライトを含めたセラフの創作物や配信にいつも現実に立ち向かう力を貰っています。


 これを読んでくれたあんまセラフ知らんみんなも見てみてね~。


 以上です。

僕の見た君を 君に伝えたい

 君がいた事を 君に伝えたい。

 藤原です。


 早いものでもう2022年が終わってしまうようです。
 それはつまり、にじさんじで間違いなく一番好きなライバーであったアクシア・クローネの卒業から一ヶ月が経ったことも意味します。
 過去形にしたくないなぁという気持ちと、ちゃんと前を見なきゃなという気持ちで、まさしく心がふたつある~状態だった30日でした。

 普段からちょこちょことTwitterで思い返しツイートはしているんですが、もともとこのブログは好きなライバーの話をしたくて続けていたものですし、折角の年の瀬なので少しだけ振り返らせてください。
 全部2022年に文字として置いておくことで、2023年以降の自分が「ああそうだった、こういう人だった。好きだったなあ」と振り返れるようにしたいという、完全なる自分のための備忘録です。文末全部に「個人の感想です」がつくものになります。よろしくおねがいします。




 唯一無二の人だったなと思います。
 いや、それは別にアクシアに限ったことではなく、この世に生きとし生けるすべての生命がそうなんですが…。(主語デッケ…)

 ゲーム実況というジャンルが確立され、市民権を得てから結構な年数が経ちます。自分が最初にゲーム実況というものを見始めたのが正確にはいつだったかもう思い出せないんですが、まあでもボルゾイ企画をリアルタイムで観ていたことを考えれば10年以上は経っているのかな。
 もともとゲームが好きで、特に自分がやったRPG系は他人の反応が観たくて、それなりに長い年数さまざまな人のゲーム実況を観てきました。
 単純におもしろい動画を観たいという理由だけではなく、「反応に共感をしたい」という考えのもとに実況を観るということは、必然的に自分の感性に近い人を好むことになります。そうなってくるとやっぱり、ああこの人の感性や視点のすべてが好きだな~と思える実況者って非常に限られてくるんですよね。
 自分は気になるタイトルならだれがプレイしているかということを問わず観ていたタイプですし、単体で好きな実況動画は星の数ほどあるんですが、それでも「この人の実況が全部好きだ」「この人に自分の好きなゲームをやってほしい」と思える実況者には、ニコニコ動画では最終的に二人しか出会えませんでした。

 Youtubeで出会った三人目がアクシア・クローネでした。

 最初に良いなと思ったのは剣盾の反応だったかなあ。当時は全部追い切れておらず、ちょこちょこタイムスタンプでストーリー部分を観ていた感じだったんですが、飾らぬ素直な反応が良いなあという印象でした。
 そこからビビりのホラーゲーム実況だ!と大喜びで行方不明を観て、ビビりキレ散らかしながらもグッドエンド後に話を振り返って自分なりに考察を重ね、「面白かった!」で〆た姿に好感を覚えたのと、行方不明以外のチラズアート作品を勧めていた姿にゲーム実況への真摯さを感じ、この時点でかなり信頼度が高かった記憶があります。
 行方不明に限らず、基本無料系のゲームを除いてほとんどのゲームにおいて「どこで売っているか」を最後に伝え、自分でのゲーム体験を促してくれているところが本当に好きだったなあ。ゲーム実況動画って、場合によっては他者のゲーム体験を奪うものでもあるので。それを踏まえた上で自分でのプレイを促してくれる人はゲーム実況者としてとても信頼できるな……といまも思います。

 だからこそ、Undertale厄介オタクの自分が、アクシアが配信予告ツイートをしたときに初めてUndertale実況を観ようと思えたんですよね。
 人生に影響を及ぼすほど好きになったものって、やっぱり茶化されたりバカにされたくはないし、それくらい好きであるがゆえに解釈ががっちり固まっているので、なかなか他の人の体験に食指が伸びなくて、というか伸ばす必要も感じなくてずっと自衛していました。
 その自衛を破りたくなるほど観たいと思えたのは、そう思える人に出会ったのは、いまこうして思い返してもとても嬉しいことだったなあと感じます。

 Undertaleの感想はもう既に過去の記事で書いているので詳細は省きますが、本当に良い実況をするライバーでした。
 多分ブログ内でも何度か言ってるんですけど、Undertaleに限らず、ストーリー要素が強いゲームにおいて世界観に没入するのがとても上手な人だったなと思っています。
 彼がゲームをプレイするとき、主人公は「おれ」であり「主人公」で、たとえばプレイヤーキャラが自我を持っているアンリアルライフが顕著なんですが、主人公=「おれ」として完全に没入して話すときと、主人公の後ろから「アクシア・クローネ」として所感を話すときがあって、それが絶妙なバランス感覚で成立していたんですよね。
 目の前にある世界から乖離せず、かと言って完全に主人公に自分を重ねることもなく、自分が操作しているキャラクターの手を引いたり逆に手を引かれていくような、そんな旅路が魅力的な実況者でした。
 これはUndertaleの「本当に最後」の結末が一番それを魅力的に映し出していたかな。あれは「落ちたニンゲン」であり「あくしあ」であり「アクシア・クローネ」としてあの世界に向き合ったからこその美しい終わりだったなあと思います。

 ゲームの世界を通してこちら側に見えるアクシア・クローネと言う人は、少し穿って見てしまうくらいに真っ直ぐで一貫した感性を持った人で、その感性のファンでした。いや、ここは過去形にはしたくないな。いまもファンです。
 アクシアの視点と言葉を通して観る物語は、自分が観たものとまた少し違っていて、その視点だったからこそ気づけたことや、「あ、そういう認識や解釈もあるんだな」と思わされることも多くて、自分の好きなゲームをまた違った角度から更に好きにさせてくれたことに本当に感謝しています。

 分かりやすいRPを沢山していたわけではないですが、ゲーム実況を多分に含む配信から見えて積み重なった彼の人間性は、確かにエデンを守る機動歩兵部隊パイロットの「アクシア・クローネ」というバーチャルライバーを、きちんと形作っていたと思っています。
 少しメタ的な話なので薄めにしますが、バーチャルの身体を動かすのが上手かったのも印象的でした。黒野先生もたくさん細かくパーツ分けしてくれたと思いますが、1.0の時点であれだけ動いていたのはやっぱりトラッキングの相性も良かったんだろうし、しっかりトラッキング出来るように環境も整えていたんだろうなと。あの表情豊かさも観ていて面白かった。自分はバーチャル・リアルを問わず実況者が画面に居る意味をそれまで感じていなかったんですが、様々なシーン……例えば良いBGMを聞いたときにパッと笑顔になったり、いわゆるビビらせシーンで驚くのを見て、ああ実況者の顔が見えるってこういう魅力があるんだなということも教えてくれました。ありがとう。

 
 もちろん良かったのはストーリーゲーだけではなくて、他のゲーム実況もとても楽しいものでした。
 アクシアFPSが得意と言う触れ込みでにじさんじでデビューしたので、わりとFPSのイメージが強かったのかなと思いますが、かなり様々なジャンルのゲームをプレイしていました。
 特に印象深いのはやっぱりスプラトゥーンやマリカでしょうか。スプラに関してはガッツリ感想を過去に書いたので詳細はそちらで……になりますが、本人の基礎ゲームスキルが高いことに加え、いわゆるテクニック的な座学部分にもかなり貪欲だったこともあり、ゲーム中の本人の思ったことが全部口から出るようなトークはもちろんのこと、成長型コンテンツとしても非常に楽しめるものでした。
 かなり勤勉な、努力の人だったなあといまも感じています。どのゲームも上達がはっきりと目に見えて形になっていて、観ていてとても気持ち良かった。
 わりと誰の配信でもコメント欄に「そのゲームだから観に来た」っていう有識者層が必ず現れると思うんですけど、自分の持たない知識が必要になるタイミングで、そういうリスナー層に「作戦会議」という形でアドバイスを求めて、きちんと求めている情報が返ってきて進んでいく、そういう風に作られていた配信の雰囲気がとても好きでした。マリカとかもそうだったけど、マイクラポケモンが特にそういうシーンが多かったかな。
 ただ教えられるだけではなくて、逆にリスナーが知らなかったり自分の方が知識量があるようなゲームやコンテンツについては、丁寧に解説してくれていたところも好きでしたし、おかげで一緒に楽しめたゲームは色々ありました。やっぱりそういうシーンはモンハンが思い出深いですが、個人的にはポカチェでめちゃくちゃ助けられました。ポーカーミリしら猪野郎がダイヤまで上がれたのは、アクシアのポカチェ配信のおかげです。これは本当に。
 アクシアは簡単な言葉しか使わないから日本語の勉強に観ている海外リスナーがわりといる、という話が一時期ちょっと面白ネタになっていましたが、実際分かりやすい言葉を選んでいくのってそれはそれで難しいんですよね。贔屓目にはなっているかもしれませんが、料理キャスとかを見ても「説明をする」という行為がとても上手な人だったなあと。
 

 先に少しマイクラの話を出したので思い返すと、マイクラの建築も良かったなあ。
 にじ鯖ではなくソロだったので、もう見る術がないのが本当に惜しいんですが、しっかりモダンハウスというコンセプトをつくって、ワンミスでリセットになるハードコアモードで自分の求める建材を集めきって、外観も実用性もクオリティが高い拠点を造り上げたのはシンプルに尊敬しかありませんでした。しかも別に全然余裕で安定していたというわけではなくて、わりと遠征に際して何度か死にかけて撮れ高もあったの、しっかり配信としても見応えがあって面白かった。
 最後の目標だったエンドラ倒してエリトラで空を飛ぶところは見られなかったけど、区切りとしてあの家が完成するところまで観られて本当に良かったな。

 時々見せてくれた絵とかもそうだったし、多分わかりやすいところだとにじフェスで展示された絵葉書はシンプルに上手いと言って特に過言ではないと思うんですが、細部で見られる芸術?美術?センスも好きでした。




 そんな感じでしょうか。

 ゲーム実況者としてのアクシア・クローネのことが、今も好きです。
 特にRPGにおいての体験を大事にしたいゲーマーとして、彼のゲーム体験を少しでも共有してもらえたこと、楽しい時間をくれたことに本当に感謝しています。

 アクシアが居なくなってから、もともと好きだったライバーやこれまで興味はあったけど見る時間がなかったライバーの配信を見るようになり、きちんと楽しい時間を過ごしています。
 ただ、やっぱり人ひとりの穴って別の誰かの存在では埋まらないんだなあということを再確認しました。まあでも当たり前なんだよね。
 自分は六年くらい前に友人を亡くしているんですけど、六年の間で何人友人と呼べるが増えてもその友人のことが上書きされるわけじゃないんですよ。バーチャルの存在で画面越しでしか知らない人とは言っても、人間なのは変わりないんだからそりゃそうか、それとおんなじかと思っています。
(なんかちょっと自語りの話題として重いな……と思って薄めた)


 自分は根本的にゲームが好きで、ゲームに人生を繋いでもらってる人間なので、そうであり続ける以上、自分のゲーム体験に影響を及ぼしたアクシア・クローネという配信者の配信を忘れることはないでしょう。
 自分の好きなゲームをプレイしてほしい!と熱望するような配信者を見つけることが出来て、一番好きなゲームをプレイしているのが見られて、とても幸福でした。
 長い人生の中で、アクシアにじさんじに来てくれて本当に良かった。

 最後にこの未練だけ2022年に置いていこう。
 彼がゲーム実況以外にもやりたいと言っていたことの実現が、観られる世界であってほしかったな。

 以上です。